「東京しごとセンター」のヤングコーナーでは、採用・育成ご担当者、経営者向けの採用・育成ノウハウを学ぶセミナーや、若手社員向けに職場定着につなげるための講座等を随時開催しています。

今回は、若手社員の職場定着を目的とした「ビジネス力UP講座」のセミナーレポートです。社会人に必要なビジネスマナーやコミュニケーションスキルを向上させるために参考となるお役立ち情報が満載です。

●ビジネス力UP講座とは
都内中小企業等の入社3年以内の若手社員を対象に、社会人基礎力から仕事の応用力まで、段階的に力がつくプログラムを実施しています。若手社員の人材育成や、職場定着の一環として、ぜひ、ご活用ください。

ビジネス力UP講座 入社1年目の正社員対象
基礎編(全3日間):おさえておきたい基本ルール「ビジネスコミュニケーション&マナー編」
1日目:ビジネスマナーの基本

1日目:ビジネスマナーの基本

入社1年目の社員に、必ず身につけてもらいたいのがビジネスマナーです。この講座では、社会人としてのマインドセットをインストールしながら、ビジネスマナーの基本について座学とグループワークを通じて学んでいきました。講座のポイントを公開しますので、是非、貴社の人材育成にお役立てください。

ビジネスマナーの基本

1.相手本位の気持ちを持つ
2.  身だしなみを整える
3.  正しい姿勢を保つ
4.  好印象を与える立ち振る舞い
5.正しい敬語を使う

1.相手本位の気持ちを持つ

新入社員研修は、社会人として必要なスキルを身に付けるだけではなく、学生から社会人へと気持ちを切り替えるマインドセットの期間でもあります。社会人に必要なマインドのひとつに、顧客や一緒に働く仲間を気遣うことができる「相手本位の気持ちを持つ」ということがあります。
身だしなみを例に説明すると、学生時代のおしゃれは自分のためにするものですが、社会人が身だしなみを整えるのは、相手に不快な気持ちを与えないように敬意を表すためのものです。学生時代の身だしなみは自己評価、社会人になると他者評価に変化するのです。このように、学生と社会人では行動ひとつをとっても違いがあります。この違いをはっきりと認識してもらい、社会人としての自覚を持たせていきましょう。

2.身だしなみを整える

社会人になるとTPOに合わせた身だしなみを整える必要があります。自社のドレスコードがある場合は、「どうしてそのような基準があるのか」といった理由をふまえて考えることが大切です。ドレスコードがない場合は、清潔感や機能性を重視した身だしなみを心掛けてください。身だしなみのチェック・ポイントを記載しますので、男性社員、女性社員にわかれてお互いの身だしなみをチェックしてみましょう。

★身だしなみのチェック・ポイント
●髪型:清潔感があるか
●スーツ・シャツ:シワや汚れはないか、サイズはあっているか
●靴・ベルト・靴下:汚れはないか、サイズはあっているか
●爪・化粧・装飾品(アクセサリー・時計等):清潔感があるか、突出して目立っていないか

3.正しい姿勢を保つ

業界によって異なる場合がありますが、立ち姿勢の基本は、男女ともに、かかとを揃えること。男性はズボンの縫い目に合わせて手を添える。女性は、左手を上にして前で重ねます。座り姿勢の基本は、男女ともに、背もたれにもたれるのではなく椅子の前半分に座ります。男性は肩幅、女性は膝を前にそろえて座ります。

4.好印象を与える立ち振る舞い

社会人の立ち振る舞いの基本は、相手に好印象を持ってもらうこと。そこで重要となるのが、おじぎ、歩き方、表情といった立ち振る舞いです。基本の立ち振る舞いができていると、印象はぐっと良くなります。おじぎの基本は、真っ直ぐの姿勢で、腰から折るようにおじぎをし、首をまげない。シーンにあわせておじぎの角度をかえ、言葉とおじぎを分けて行うとより印象が良くなります。
歩き方の基本は、足を引きずらない、姿勢よく下を見ずに歩く。表情の基本は、顔全体で笑顔をつくることを心掛け、特に、話す時は表情を豊かにすることを意識すると良いでしょう。

5.正しい敬語を使う

社会人1年生にありがちな、よくある敬語の誤用や間違った言葉遣いについておさらいします。せっかく謙虚な気持ちを持っていても、誤った敬語を使用しているとその気持ちは伝わりません。正しい敬語を身につけられるように練習していきましょう。

×誤用:おっしゃられる
○正しい:おっしゃる

×誤用:おいでになられました
○正しい:おいでになりました

×誤用:私のほうで対応します
○正しい:私が対応します

×誤用:コーヒーでよろしかったでしょうか
○正しい:コーヒーでよろしいでしょうか

育成担当者に伝授します! 教え方のポイント

服装等の身だしなみは、指摘しづらいケースもあると思います。ポイントは、男性社員には男性が、女性社員には女性が指摘することです。また、個別よりもグループで指摘しあうと良いでしょう。ビジネスマナーを身につけることは、会社の品格を守ることになり、本人の成長にもつながります。座学で知識を伝えるだけでなく、ロールプレイング等で実際にやってみることで、より理解を深めることができます。

【講師】齋藤 ただし 氏
米国CCE, Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー
未就職者および就労者向けに講義・講演の講師、研修プログラム作成、
キャリアカウンセリングといった状況に合わせた形での⽀援事業を⾏う。
専⾨分野は、気づき気づかせ、⾏動に繋げる講座進⾏。
独⾃講座スタイルは、「本⼼への投げかけによる⾃⼰認識と⾏動変容への導き」