「東京しごとセンター」のヤングコーナーでは、採用・育成ご担当者、経営者向けの採用・育成ノウハウを学ぶセミナーや、若手社員向けに職場定着につなげるための講座等を随時開催しています。
今回は、若手社員の職場定着を目的とした「ビジネス力UP講座」のセミナーレポートです。社会人に必要なビジネスマナーやコミュニケーションスキルを向上させるために参考となるお役立ち情報を提供しています。
●ビジネス力UP講座とは
都内中小企業等の入社3年以内の若手社員を対象に、社会人基礎力から仕事の応用力まで、段階的に力がつくプログラムを実施しています。若手社員の人材育成や、職場定着の一環として、ぜひ、ご活用ください。
ビジネス力UP講座 入社2~3年目の正社員対象
応用編:若手から中堅へ「課題解決力を身につける」
1日目:伝達スキルをブラッシュアップ
今回の講座は「伝達スキルをブラッシュアップ」をテーマに実施しました。入社2年目以降の社員がさらなる成長に欠かせない「伝達力」について座学とグループワークを通じて、学びました。
伝達スキルをブラッシュアップ
1.報連相を徹底することのメリット
2. 親しい関係だからこそ生まれる「報連相」の 落とし穴
3.相手想いの「報連相」とは
4.相手の意見と自分の意見を区別する
1.報連相を徹底することのメリット
入社1年目の社員には、上司や育成担当者が状況を知るために「報連相」を徹底させるケースが多くみられます。では、入社2年目以降の社員へ「報連相」を徹底するために、何を目標にするとよいのでしょうか。ポイントは「報連相」を実施することのメリットを明確に伝えることです。例えば、報連相をすることで情報収集が可能になり自身のスキルアップにつながる、報連相をすることで上司や部下と情報を共有しチームの一員として認められる等々。本人が自発的に気づき「報連相」を実施している場合は、問題ありませんが、滞りがちな社員にはもう一度、「報連相」のメリットを伝えてブラッシュアップするように伝えていきましょう。
2.親しい関係だからこそ生まれる「報連相」の 落とし穴
仕事に慣れてくると上司と部下の間で、「あれ、やっておいて」というように曖昧な指示でも通じる会話が生まれてきます。部下も自分でその意図を判断して行動します。そこで落とし穴となるのが、お互いに誤った解釈が生まれる可能性があるということです。コミュニケーションは受信・発信を繰り返しながら成り立つもの。上司と部下のように部署が同じなら相手の立場や意図を理解できるので、コミュニケーションは成立するかもしれませんが、そうではない相手の場合は上手く意思の疎通ができません。しっかりとお互いの関係を築き意思の疎通をスムーズにしておくことは重要ですが、親しい関係でも、正確に相手に情報を伝える「報連相」を心掛けましょう。そうすることで、どんな相手でも正確な「報連相」が可能になり本人のスキルアップにつながります。
3.相手想いの「報連相」とは
入社2~3年目になると顧客と接する機会も増え、様々な立場の相手に正確な情報を伝える必要があります。そんな時に有効なのが、ホールパート法を用いた伝え方です。ホールパート法とは、伝えたい結論(Whole)から話し、それについての詳細(Part)を説明し、最後にもう一度結論(Whole)に戻って話しを伝えるという方法です。話を受ける側は、最初に結論が分かるため、全体像を理解しやすくなります。
4.相手の意見と自分の意見を区別する
部下から報告を受ける際、事実と自分の意見(解釈)が混ざってしまい、話が見えないということはありませんか。仕事ができる社員ほど、自分の解釈を伝える傾向があります。事実はひとつ、解釈は無数にあります。誤解を防ぐためにも、「報連相」の際は、事実を報告してもらい、そこから解釈を述べてもらうという習慣を身につけることが重要です。そうすることで、誰にも分かりやすく「報連相」ができる論理的思考を身につけることができます。
育成担当者に伝授します! 教え方のポイント
報連相はビジネスコミュニケーションの基本だからこそ、ブラッシュアップする必要があります。上司・育成担当者への「報連相」から、自分が成長するための「報連相」、成果を上げるための「報連相」へと、「報連相」を極めていくために、「報連相」を受ける側も積極的に受信・発信しコミュニケーションを深めていきましょう。
【講師】齋藤 ただし 氏
米国CCE, Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー
未就職者および就労者向けに講義・講演の講師、研修プログラム作成、
キャリアカウンセリングといった状況に合わせた形での⽀援事業を⾏う。
専⾨分野は、気づき気づかせ、⾏動に繋げる講座進⾏。
独⾃講座スタイルは、「本⼼への投げかけによる⾃⼰認識と⾏動変容への導き」