「東京しごとセンター」のヤングコーナーでは、企業の採用・育成ご担当の皆さまに、採用・職場定着に関する支援サービスを無料で提供しています。また、求職者に対して自社の情報を無料で公開できる「企業情報登録」を行った企業のご担当者様には、若年者の採用や人材育成に注力している企業の取組事例をご紹介する「人材採用・人材育成応援メール」を配信しております。
今回は、配信済みの「人材採用・人材育成応援メールのバックナンバーの中から「経営理念」を具現化できる人財の育成事例をご紹介します。貴社におかれましても、採用情報をまとめた「企業情報シート」の公開をご検討の上、採用課題の解決や人材育成・職場定着にお役立てください。
企業名:株式会社ねぎしフードサービス
業界:外食・サービス
事業内容:「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」 37店舗、「コパン・コパン」 1店舗
従業員数:社員133名・アルバイト1457名(2016年5月現在)
設立:1981年6月
人材育成の目標:「お客さまにおいしさを お客さまにまごころを ねぎしはお客さまのためにあるそしてお客さまの喜びを自分の喜びとして親切と奉仕に努める」という企業理念の共有
HP:http://www.negishi.co.jp/
目次
取り組みの内容
『経営理念を全社員が共有し具現化を目指す』
当社では経営の目的として、「働く仲間の幸せ」と「顧客満足度」を通して、100年永続する企業になることを掲げています。その経営目的を実現するために取組んでいるのが、経営理念を共有した全社員が、PDCA(Plan Do Check Act)サイクルをまわすことです。通常、“C”はチェックするという意味ですが、当社では、Cをコミュニケーションと定義し、店舗等のチームで対話を通じて改善していくことで、より良い会社づくりを目指しています。
PDCAをまわす際に全社員の共通の指針となるのが「経営理念」です。実務を学ぶ研修もありますが、経営理念を共有することが、当社の人財育成の柱といっても過言ではありません。
そのため、経営理念を全社員に浸透させ、理念に沿った行動をするために様々な取組みを行っています。そのひとつが、「経営理念」の解説を全社員で考えたことです。経営理念を実現するためにどんな接客を行ったらよいのか、どんな風に仲間と接していけば良いのかといったことを、社員が考え決めて、みんなで共有していきます。また、経営理念を具現化できたときにお客様からこんな喜びの言葉やお褒めの言葉をもらったというエピソードや経営理念についての思い等をまとめた作文を年間で300名以上書いてもらい冊子に掲載してみんなで共有しています。
その他にも、お客様アンケートで「本日輝いていたスタッフ」に選ばれたスタッフを「親切賞」として会社をあげて表彰したり、スタッフ同士で日頃の「ありがとう」という気持ちをカードに書いて渡し合うといった、良い行動をした時には褒める、仲間を大切にするという仕組みをつくり、スタッフがやりがいを持って活き活きと働ける職場づくりに取組んでいます。
取組みを始めたきっかけ(理由)
働く仲間に成長を実感してもらいたい
企業が永続していくためには、そこで働く人が幸せになる必要があります。社員の休暇を増やしたり、給与を上げれば従業員の満足度はあがるかもしれませんが、企業の取組みとして限界があります。そこで当社では、働く仲間が自分の成長を実感したり、会社や仲間はもちろんお客様から認められる時間を提供することで、働く仲間に幸せを実感してもらえると考えています。
取組みの成果や感想
83%の従業員が職場に満足
当社では、年に1回従業員満足度をはかるアンケートを行っており、昨年度は83%の従業員が満足をしているという結果になりました。多くの社員が自分の仕事に満足し、やりがいを感じています。上記のように「経営理念」を共有し、具現化するために行動し、その結果を全社員で共有し評価する(ほめる・認める)というPDCAサイクルを確立することで実現できました。大事なのは、店長をはじめとした現場のスタッフがPDCAサイクルをつくるということ。自分たちがつくったことだからこそ、やらされ感がなく「自分ごと」として考え、行動できるのです。このように「経営理念」を共有するために、自ら考え行動できる帰属意識の高い社員を育成することが職場定着にもつながっていくと考えています。
育成ご担当者からのメッセージ
「経営理念」をつくり企業としての目的を決めたら、やり抜くことがとても大事です。
やり続けることで、いつしか企業風土として定着していくのではないでしょうか。
編集部からの一言
「経営理念」という共通の目的を全社員が共有し、理念に沿った行動ができたら全社員で認めて・褒める。非常にシンプルな取組みだが、社員のモチベーションを上げ、従業員満足度の向上および職場定着に非常に効果があると感じました。