ご利用者プロフィール
Yさん、男性。ヤングコーナー利用時26歳。大学卒業後、営業職に就き3年間勤務。その後、異業種の営業に転職したが仕事の難度の高さに悩み1年を待たずに退職。ヤングコーナーで受けた自己理解セミナーやカウンセリングを通して、内定先企業への入社を前向きに考えられるようになった。

「とりあえず営業かな」からはじまった

大学卒業後、2社にお勤めになったとのことですが、まずはその経緯を教えてください。

Yさん:特にやりたい仕事はなく、「とりあえず営業かな」と思って最初の就職をしました。通信系の商品がメイン商材の企業で、はじめの2年はいわゆる電話営業でした。

渡されたリストに対して、どんどん電話をかけていくという仕事ですね。その後1年間、外まわりの営業を経験して、丸3年でその会社を退職しました。

商材のセールスポイントをマニュアルどおりに話して、件数をこなすというスタイルの営業だったのですが、そこそこの実績をあげることができたので、次は自分でセールスポイントを考えて売り込むような仕事に挑戦して、自分を高めたいと転職を決意しました。

次の会社は1年経たずに退職されたそうですが、どのような理由からだったのでしょうか?

Yさん:挫折したというのが正直な理由ですね。セールスポイントを探して、それをお客様にご案内して、納得していただくというスタイルの営業だったのですが、とにかく難しくて、続けることができないと判断して退職しました。

自分を高めるために思い描いたとおりの仕事だったので、それを「できない」と思ったときはものすごくヘコみました……。

その後、どのように転職活動されたのですか?
また、東京しごとセンターを利用することになったきっかけを教えてください。

Yさん:在職中に求人サイトや転職エージェントサイトに登録するなどの活動を始めましたが、内定が出ないまま有給休暇を消化して退職しました。そのあと友人から、「就職や転職に関する相談に何でものってくれるところ」と東京しごとセンターのことを聞きました。

当時は、はやく次の仕事に就かなければと焦る気持ちと、前職での挫折とで、「自分は何をすれば良いんだ!?」とモヤモヤしていて、誰かに相談したいという思いがありました。

はじめにどのような相談をされたか、覚えていらっしゃいますか?

Yさん:学生時代から特にやりたい仕事はなかったということから、「とりあえず営業かな」と選んだ最初の就職、前職での挫折などを包み隠さずアドバイザーの小林さんに話しました。

とても親身になって話を聞いてくださり、そこで「自己理解セミナーを受講してみては?」と提案があったので、受講を申込みました。ただ、あと数日で受講という日になって面接を受けた会社から内定をいただいたんですよ。

内定は出たけど、不安だった……

内定とは次の転職先ですよね? 内定が出ていながらもセミナーを受講されたのはなぜでしょうか?
転職先は、かなり名の通った企業と伺っていますが。

Yさん:たしかに名のある企業ではありますが、だからといってそれで本当に入社してしまって良いものか? という思いがありました。

次の仕事は営業職ではないのですが前職と近い業界で、任される仕事も決して簡単そうではありませんでしたし、また以前と同じような挫折を経験するのではないかと思うと、とても安心できず、試しに自己理解セミナーを受けてみてようと思いました。

そうでしたか。実際に自己理解セミナーを受けてみて、いかがでしたか?

Yさん:自分が仕事を選ぶうえで大切にしているものがよくわかりました。具体的には、“一人一人の考えを大切にし、それを表現していける職場環境”や“自分の可能性を見いだしていけるような仕事”といったものです。

自分を“表現できる職場環境”があることで、残業などを厭わず“自分の可能性を見いだせるような仕事”に取り組むことができると自覚しました。と同時に、これまでの会社は、“一人一人の考えを表現できる職場環境”という部分が満たされていなかったように思い返しました。

結果を書面で見たことで、その満たされてこなかった部分を次の職場に求めていたことが理解でき、内定企業なら入社しても大丈夫そうだという手応えを持つことができました。

また、セミナーで同じグループになった人たちの、仕事に求めるものを見ることができたのも良い経験でした。“自分を表現できる職場環境”ならば、残業を厭わないような自分のような人もいれば、「さまざまな事情により、残業がないことが最優先」という人もいらっしゃいました。

公務員を目指していた人は、「地域貢献」という、自分はまったく思いつかないものを大切にしていました。皆さんそれぞれに、「何となく思っていたけど、やっぱりそうだったか!」と納得している様子でした。

「まわり道も無駄ではない」にホッとした

ほかに印象に残っているセミナーやカウンセリングはありましたか?

Yさん:小林さんに簡易的な自己分析のカウンセリングをしていただいたのですが、このときのエピソードがとても印象に残っています。

自分の興味があるものを挙げ、そこから連想されるキーワードをどんどん出していく、たとえば僕が好きな“サッカー”から「チーム」「協同」……、のようにキーワードを出していくと自分のタイプや傾向がわかるというカウンセリングです。

導き出された自分の傾向は、「高いところを目指す」と「ある程度までやると手加減する」というまったく相反するものだったのですが、たしかにそのような相反する面を自分が持ち合わせていることに心当たりがありました。

それについて、小林さんから何かアドバイスはありましたか?

Yさん:「高いところを目指す」傾向に重きを置くのならば、自分の向上心や挑戦する気持ちをアピールしてそちらの道に進めば良いし、「ある程度までやると手加減する」傾向を重視するのならば、過去の実績から自分ができることをアピールして、これまでと同じような道に進めば良いとのことでした。そのことはよく理解できたのですが、「結局どちらに進めば良いの?」と少し困惑しました。

すると、「このような矛盾する傾向が出ることはよくある」と伝えたあとに、小林さんご自身の経験を話してくれました。

伺ってみると、小林さんも、いろんなまわり道をしながら今に至っていることを知りました。まっすぐに迷いなく道を進んでいく人もいれば、ときにはまわり道をしながら進む人もいる。

その道を進んでみて初めて「この道は自分の進むべき道ではないな」とわかることもあるから、どの道も決して無駄ではないとのことでした。

退職後、少し時間が空いてしまい焦っていましたが、順風に人生を歩んでこられたように見える小林さんから、そのようなご自身のお話を伺って、ホッとしたことを覚えています。

自己理解のためのセミナーやカウンセリングを受けたおかげで、落ち着いて考えられるようになり、今進むべきなのは「高いところを目指す」道だなと、内定企業への入社を決めることができたように思います。

なるほど。内定後でも、セミナーを受けた意味が十分にあったということですね?

Yさん:はい。ただ、残念でもあります。もっとはやく東京しごとセンターに来て、自己理解ができていれば、転職活動は少し違ったものになっていただろうと思うからです。

仕事探し、応募書類の作成、面接など、自分の望む働き方が明確な分、的確に行動できたでしょうし、より幅広い選択肢を持つこともできたのではないかと思うんです。内定先の企業で納得できたので自分の場合は、たまたま問題ありませんでしたが。

自分と同じように「やりたい仕事が特にない」「就職・転職のためにまずは何をすれば良いかわからない」という人は大勢いると思います。

同じような思いを持つ方でしたら、ぜひ東京しごとセンターを利用してみることをおすすめします。こんなことを相談できる相手って、なかなかいないですからね。

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担当アドバイザーからのコメント

求職中も規則正しい生活を心掛けるなど、しっかりしていながらも「進むべき道はどちらか?」と悩まれていたYさんの姿がとても印象に残っています。正面からぶつかっていき、丁寧に整理し、また挑戦する。そんな底力を応援しています。新しい会社に入られてからも、近況報告でも、何かお悩みでも、お話を伺いますので、ぜひお顔を見せてください。

担当アドバイザー:小林 克