「入社前に聞いていた話と違う…」、「残業が多くてつらい…」、「人間関係で行き詰まり不安…」。今まさに退職を考えている多くの方は、自分の力だけでは解決しがたい事情があり、一刻も早くこの状況から脱出したいと思われているかもしれません。しかし拙速な退職は収入を失うリスクや職歴にブランクが生じるリスクを負います。一度立ち止まり、落ち着いて考えてみることが必要です。なぜならば、転職活動には一定の準備と、その為の時間が必要だからです。退職の“タイミング“と“準備”は転職活動においてもっとも大切なことです。具体的に説明していきましょう。

退職・転職のタイミングは?

早期の退職・転職を検討する必要があるケース

例えば、残業続きで睡眠時間が確保できない、休日出勤があまりにも多すぎる、上司からのパワハラに耐えられない・・・。このような状態が続き、身体や心のバランスを崩しそうな場合は、早期の転職が必要な可能性があります。すでに身体や心に症状があらわれている場合は、まず医師に相談することをおすすめします。

退職・転職するタイミングを計ることが可能なケース

様々な理由で会社への信頼や仕事に対するモチベーションは低下しているが、残業など労働環境は一定のラインを超えていない、日々の業務は普通にこなせる等、すぐに辞めなくてもよい状態であれば、十分準備をしてから退職する方が賢明でしょう。

職務経歴書に経験をまとめる

転職時期が決まったら、まず応募先企業に提出するための職務経歴書を準備することから始めしましょう。職務経歴書は、自分自身の業務経験とスキルを、どのように活かし、どのように貢献できるかを、応募先企業に伝える重要な資料になります。業務経験とスキルをきちんと整理し、企業へわかりやすくアピールするためには「キャリアの棚卸し」が必要です。「キャリアの棚卸し」とは、経験した業務の中から自分自身ができること、今後やりたいことなどを整理することを言います。棚卸しするほどのキャリアなんてない!と思う方もいるかもしれませんが、キャリアというのは、どのような方でも必ずあるものです。まずは、そのことを頭に置き、自分の経験を肯定的に描き出していきましょう。

キャリアの棚卸し方法

(例)事務職の場合

Step1 1日、1ヶ月、1年など、期間ごとに業務場面を振り返る。窓口・電話応対、データ入力・書類作成・在庫管理・経理・人事など、経験した業務を細かく書き出します。
Step2 それぞれの業務ごとに、自身が行った工夫、気づいた着眼点などをあげる。
例えば、窓口の対応において、お客様が不安を抱え混乱している場合には、段取りを示しながら、解決への筋道を描くなどの工夫をした、といった具合に、具体的に振り返ってみます。
Step3 STEP12の項目が出揃ったら、より達成度の高い業務と、やや達成度の低い業務に分けてみましょう。◎◎や○○については、「やり切った感」が強く自信がある。△△や××については、勉強を重ねて、今後も挑戦したい。という整理ができ、企業へアピールする材料となります。

転職活動における面接対策

「キャリアの棚卸し」で整理したSTEP1STEP3の内容は、さらに面接対策にも応用することが可能です。自分自身の「できること」についてアピールをする場面では、STEP3の中でも「やり切った感」が残るエピソードが適しており、いわば「即戦力」として発揮できる、自信を持って貢献できるスキルとして話せるようにしておくと良いでしょう。一方、自分自身の「やりたいこと」を説明する場面では、引き続き挑戦したいという事柄を、時間をかけて大成していく「ビジョン」として、具体的な話ができるようにしておくことが有効です。また、資格はあるが実務経験がないという場合なども、今すぐに出来ますと答えると背伸びになってしまうため「挑戦したい」と伝えるのがベターでしょう。面接では、自己のアピールはもちろんですが、応募企業の特徴についても知っておく必要があります。企業研究もしっかり行っておきましょう。

 面接で退職・転職理由について聞かれたら

面接時に人事担当者がもっとも質問したいことは、在職期間や退職・転職理由についてです。新たなチャレンジのためなど、前向きな退職以外は、退職・転職理由の説明は難しいものです。説明が難しいと考えられるものの対策をいくつかご紹介します。

在職期間が長い場合(目安として3年以上)

長期在職自体がアピールになりますが、「キャリアの棚卸し」が具体性に欠け、自身の想いだけに頼って面接に臨んだのでは、失敗する可能性があります。しっかりと「キャリアの棚卸し」をし、論理的に自己アピールができるよう準備をしておきましょう。

在職期間が短い場合(目安として3年未満)

退職・転職理由をきちんと説明しましょう。虚偽はいけませんので、本当の理由を、相手に不信感を与えないよう、上手に伝えることが重要です。たとえ在職期間が短くても、これまでの自身を振り返り、「できること」と「やりたいこと」に対する意欲をハッキリさせ、その内容を丁寧に話すといったことが、何よりも有効です。

 人間関係による退職:人間関係の改善を図ったかどうかを説明する必要があります。人間関係に関しては、どのような人とも働けるコミュニケーション能力があるかどうかがチェックされます。面接で説明することは難易度が高いので、就職支援アドバイザー等に相談することをおすすめします。

 体調不良による退職:現在は完治して問題ないことを説明しましょう。症状に不安がある方は、就職支援アドバイザー等に相談することをおすすめします。

最後に

一人で転職活動をすることは、難しい点も多いと思います。東京しごとセンター・ヤングコーナーでは、カウンセリングや各種セミナーを受けながら、ブレのない自己理解をじっくりと進めて行くことや、応募企業の研究、志望動機の見つけ方などさまざまなサポートを行っています。ぜひご来所頂き、ご自身の歩み方について整理されることをおすすめします。

“応援します、輝ける一人ひとりの生き方を!“

編集部コメント

退職・転職には、タイミングと対策が重要であることがわかりましたね。私自身も過去に転職をした経験がありますが、転職はその後のキャリアに関係する「転機」でもあります。自身がどのようなキャリアを歩んでいきたいのかを考えて活動をしていくことが、その後の人生を充実させることにもつながっていきます。退職・転職の理由は人それぞれですので、一人で考えこまず、信頼できる就職支援アドバイザーに相談し、安心して活動をしていただけたらと思います。



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