就職活動を有意義なものにするために、ぜひ活用してほしいのが「インターンシップ」です。
ここでは、インターンシップとはそもそも何なのか、参加するメリットなどについてご説明します。

インターンシップとは

インターンシップとは、求職者が就業体験を積むために、一定の期間、職場体験できる制度のことです。企業で働くことで実務を経験できたり、難しい業務の場合は補助的な作業を通じて仕事理解を深めることができます。

インターンシップを採用の一環と考えて実施している企業がほとんどで、インターンシップに参加することが採用に直結する場合もあります。

インターンシップが始まった最初の頃は主に学生向けの制度でした。しかし最近は新卒・既卒にこだわらず「優秀な人材」や「自社に合う人材」を広く確保したいと考えている企業が増えていることから、既卒者や社会人にも対象を広げたインターンシップも多くなっています。


インターンシップしている様子

インターンシップの目的と注意点

インターンシップに参加する一番の目的は、「就職する前に実際の仕事を体験する」こと。就業体験を通じ、早いうちに「業務への理解」や「仕事に必要な知識」がわかれば、その仕事が自分に合うかどうかや、やってみたい仕事かどうかが判断しやすくなります。参加をきっかけに、その後の就活も進めやすくなるはずです。

お金を稼ぐことが目的のアルバイトとは違い、就職を視野に入れた行動であることも、きちんと頭に入れておきましょう。知見を広めるためにただ参加すればいいわけではなく、自分なりの目的をもって臨むことが大事です。

その意味では、インターンシップによって得られる価値は、自分の意識や姿勢次第で大きく変わってくるといえそうです。


インターンシップの種類

インターンシップには決まったかたちはなく、実施する期間(日数)によって内容が変わってくることが多いです。以下に大体の内容の目安をまとめましたので、自身の状況やスケジュール、目的に合わせて選んでみてください。

●短期(1〜3日程度)

就業体験というよりは、企業見学や若手社員との交流に重きを置いた内容となるケースが多いです。企業によってはグループワークなどを実施し、参加者同士で力を合わせて取り組みます。

●中期(1週間~1カ月程度)

新規事業の立案や課題解決のためのプレゼンをするなど、擬似的にビジネスを体験できる内容が盛り込まれます。その会社や業界について知ることができ、短期のものよりも理解が深まります。

●長期(1カ月以上)

仕事の現場に入り、社員と一緒に実際の業務を行っていきます。難易度の低い仕事からスタートし、経験を積みながら時間をかけて仕事を覚えていきます。給料を支払われることもあります。

インターンシップしている様子

インターンシップを活用するメリット

インターンシップに参加することで得られるメリットはたくさんあります。代表的なものを6つ、ご紹介します。

1.業種・職種の理解につながる

ホームページなどで調べたり、説明を聞いたりして、自分なりに仕事について理解しておくことは非常に大事ですが、理解を深めるには「実際にやってみる」のが一番の近道。その業種・職種ならではの働き方がわかれば、「その仕事は自分に向くか(向かないか)」も判断しやすくなります。

2.自分に合う職場環境がわかる

いくつかの企業でインターンシップを経験できれば、企業ごとの特徴や風土、働く雰囲気などを比較検討できます。リモートワークを導入する企業の増加など、働き方が大きく変わっている時代だからこそ、「自分に合いそうな職場環境かどうか」を体感し、自分の目で確かめることは非常に重要です。

3.自己理解につながる

業務体験を通じて「どういう仕事をしているときに楽しいと感じるのか(苦痛を感じるのか)」といった気づきを得るきっかけにもなります。一緒に働く企業の人や他の参加者との交流を通じ、自分の強みや弱みを発見する機会にもなるでしょう。インターンシップ中に周囲から言われたことなどが、自己分析を進める際にも大いに役立つはずです。

4.自分が働く姿をイメージしやすくなる

実際に就業体験を行うことで、「自分が働く姿」をイメージできるようになります。その後の就活での企業研究や業種・職種理解においては、非常に役に立つはずです。

5.ビジネスマナーを学ぶことができる

一緒に働く人たちとの交流を通じて、社会人としての振る舞いや行動を身をもって知ることができたり、ビジネスマナーについて学ぶことができます。

6.得た経験やスキルを自己PRにつなげられる

実際に働いてみたい企業でインターンシップを経験できれば、その後の選考での「話題作り」にもつながります。体験を踏まえた「説得力のある志望動機」が語れるでしょう。

まとめ

就活を進める中で、「まだ業種や職種が絞れていない」「自分にはどんな仕事が合っているのかわからない」と悩む場面は多いと思います。そんな時でも、いろいろな気づきが得られるのがインターンシップの良さ。あくまで「就業体験」だからこそ、少しでも気になる企業があれば積極的にインターンシップに参加してみましょう。実際に働く場所の雰囲気を知ることができるだけでも、その後の就活に前向きになれるはずですよ。