新型コロナウイルスによる解雇者数は、アパレル販売業でも急増

新型コロナウイルスによる解雇者数が増加していますが、アパレル販売業においても解雇者数が一気に加速しています。2020年7月、ある有名レディースブランドが人員の1/8を解雇すると発表され、500人程となるほぼすべてが「販売職」であると報道されました。

このように大手でも規模の縮小に伴う解雇が増えている中、アパレル業界で販売職に就いている人は、現実的な問題として販売職以外ならどのようなキャリアチェンジを目指すべきなのでしょうか?

状況を整理し、転職についての考え方やポイントについてお伝えします。

実店舗への来店、外で着る服の需要に影響

「ファッション」という言葉を使う場合、衣服による個性を出した自己表現と言った意味合いが少なからず含まれています。

安く、品質の高い機能性ウェアを販売するような「普段着」に近い衣服のメーカーは、身を守るという意味での「生活必需品」という認識が強いため、いわゆるコロナ禍のもとでも売上の回復は比較的順調ですが、ブランド系のショップは非常に苦しい立場になっています。

日本全体の景況感もあいまって、長きに渡って不振にあえいでいた中での新型コロナウイルスの流行は、ファッションブランドに対する需要を急激に落としました。

新型コロナウイルスによる具体的な影響は、「実店舗への来店」や「外で着る服の需要」を急激に減らし、実店舗での販売を主力とするアパレル販売業は全体的に追い込まれています。

新しい様式に合った販売方法や需要を生み出し、生き残りをかける企業も数多く存在しますが、業界全体における需要の回復には、まだしばらく時間がかかるのではないかと言われています。

アパレル販売業から他の業界職種に移るために把握しておくべきスキルセット

アパレル販売業としてキャリアを積んできた人が転職のために使えるスキルは、実は多岐に渡ります。

その中でも「接客」に関わるスキルは、他の業界や職種に応用しやすいスキルであり、他の業界職種を考える時も「接客」や「営業」という言葉をキーワードとして吟味していくことが有効でしょう。

接客のスキルは「ヒアリング(傾聴)」「トンマナ調整」「現場対応力」などに活用でき、営業のスキルは「売上目標の達成」「提案のスキル」「顧客管理(CRM)」などの領域で有利に働きます。

さらに店長などのマネージド職を経験している方であれば「人材マネジメント」や「在庫管理」や「損益管理」や「営業企画力」といったこともアピールポイントになってきます。

店舗としての情報発信やSNSなどの運用も経験していれば、広報やマーケティングに関わる仕事のスキルとしてもアピールが可能です。

ビジネスは人と人とのやりとりが発生する分野が多く、販売業からの転職はこうした対人スキルをベースに組み立てていくところから始めましょう。

キャリアチェンジの転職をするならやはり営業や接客?

「販売業」と書くだけあり、キャリアチェンジの軸はまず「営業」が候補に入るかどうかで大きく応募できる企業数が変わります。

営業と言っても「法人向け」「個人向け」などで大きく内容が変わるのでどちらが合いそうかは調べてみましょう。

また、接客業もキャリアを活かす方向性のひとつです。「対面(カウンターセールスなど)」「非対面(コールセンターなど)」などによっても得手不得手が異なるので、自分が仕事をしている時にどちらがやりやすいかを考えてみるのが良いかもしれません。

営業や接客以外の仕事を選びたい場合は、自分自身のキャリアや強みがきちんと活かされるような「具体的な理由」があるかどうかを、しっかりと吟味して検討することが重要であり面接などでも役立ちます。

転職先の業界で求められるスキルが「販売職としての強みと掛け算できる内容か」をきちんとリサーチしておきましょう。

具体的なイメージがわかない場合

アパレル販売業で活躍していた人が持つスキルは実は多岐に渡り、それらのスキルをどのような仕事に活かすかがキャリアチェンジのポイントになってきます。

具体的には、働いていた環境や顧客層、店舗での役職や立場によって、一人ひとり個性の違うスキルをお持ちだと思います。また、それらのスキルの活かし方も、面接でアピールできるレベルにまで咀嚼するのはなかなか大変な作業です。

そんな方は、是非「東京しごとセンター ヤングコーナー」に足を運んでください。東京しごとセンターは、東京都が設置した公共性の高い就業支援施設となり、お一人おひとりの状況にあわせたきめ細かなサービスを提供しています。

自己分析や強みの活かし方、応募先企業へのアピール方法についても一緒に考えてくれます。

よろしければ是非来所やオンラインで相談をしてみてください。