2025年卒の就活から、インターンシップの位置付けが変わります。
「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」によって新たに定義されたインターンシップの中身や注意点、メリット&デメリットについてご紹介します。

インターンシップの定義が変わった背景とは?

時代的な背景

人生100年時代の到来や、変化の激しいVUCA(※)の時代を迎えたことで、「主体的に学び続ける力」や「自ら課題を発見し解決していく力」を身につけ、自律的なキャリア形成が必要となっています。
採用の多様化・複線化、ジョブ型雇用への関心の高まりもあり、学生時代の早い段階から「自らのキャリアを考えること」がより重要になっているのです。

※VUCA:Volatility(変動制)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、目まぐるしく変化することで未来の予測が難しくなる状況のこと

学生やその情報を取り巻く背景

従来のインターンシップは、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と定義しており、そこで取得した学生の情報を広報活動や採用選考活動に使用してはいけませんでした。
しかし、実態としては採用選考に組み込まれていたり、就業体験の乏しいプログラムが多数実施されるなど、学業への影響も懸念されていました。
そのため、企業と教育現場が政府や自治体と連携・協働し、学生が自律的にキャリア形成できる環境づくりを支援することを目指し、インターンシップの見直し(再定義)が進められたのです。

産学協議会が定義した4つのタイプ

産学協働の取り組みとして、学生のキャリア形成支援活動は次の4タイプに整理されました。

【タイプ1】オープン・カンパニー
業界・企業による説明会やイベント

【タイプ2】キャリア教育(プレ・インターンシップを含む)
大学などの授業や企業による教育プログラム

【タイプ3】汎用的能力・専門活用型インターンシップ
職場における実務体験

【タイプ4】高度専門型インターンシップ
特に高度な専門性を要求される実務を職場で体験

インターンシップをしている学生の様子


新たに定義されたインターンシップとは?

4つのタイプの中身について、それぞれ見ていきましょう。

【タイプ1】オープン・カンパニー

個社や業界に関する情報提供・PRが目的で、企業や就職情報会社、大学キャリアセンターなどが主催するイベントや説明会などが該当します。

参加期間:単日(超短期)

POINT!

対象が学部生・大学院生ともに学年を問わないため、1年次から参加が可能。早期のキャリア教育の場として有効活用できます。従来までの就職支援セミナーや就活イベントなどが該当し、幅広い業界・企業の情報収集ができるので、どんな業界や企業に興味があるのかが決まっていない場合にオススメです。


【タイプ2】キャリア教育(プレ・インターンシップを含む)

学生が働くことへの理解を深めるための教育が目的で、大学などが主導する授業や産学協働プログラムや、企業がCSRとして実施するプログラムなどが該当します。

参加期間:授業プログラムによって異なる

POINT!

オープン・カンパニー同様に1年次から参加可能。授業形式のプログラムで、企業の事例や実際の社員の話を聞くことができます。気になる企業や業界への理解が深まるだけでなく、自らのキャリア観や職業観、就業観を考えるきっかけになるはずです。


【タイプ3】汎用的能力・専門活用型インターンシップ

就業体験を通じで学生が自らの能力の見極めを行うことが目的です。企業や大学が地域コンソーシアムと連携して実施する、専門性を重視したプログラムが該当します。

参加期間:汎用的能力活用型は短期(5日以上)、専門活用型は長期(2週間以上)

POINT!

3年次以上を対象に行っていた従来のインターンシップに近いものです。職場における実務体験となり、汎用的能力活用型は就業体験が必須で5日間以上、2週間以上行うプログラムとなります。具体的な仕事内容ややりがいだけでなく、その仕事に必要な能力が備わっているかを見極めたり、自身の強みや弱みを客観的に知ることができるでしょう。学業との両立の観点から、正式の授業科目である場合や博士課程を除き、長期休暇期間中の実施となります。


【タイプ4】高度専門型インターンシップ

就業体験を通じて学生が実践力の向上を目指すのが目的で、ジョブ型研究インターンシップが該当します。高度な専門性を重視した修士課程学生向けインターンシップ(仮称)についても検討が進められています。

期間:ジョブ型研究インターンシップは長期(2ヶ月以上)

POINT!

大学と企業が連携して実施するプログラムで、特に高度な専門性を要求される実務を職場で体験することができます。2ヶ月以上行うジョブ型のインターンシップなので、より専門性を高めることができ、就活に向けて自信をつけることができるでしょう。


インターンシップの注意点

●インターンシップの目的は、学生がその仕事に就く能力が自らに備わっているかどうかを見極めることであり、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した「就業体験」を行うことです。その観点から、インターンシップに該当するのは「タイプ3」と「タイプ4」のみとなります(タイプ1とタイプ2はインターンシップとは認められません)

●キャリア支援を目的とする取り組みであることから、採用活動ではありません。ただし、タイプ3とタイプ4については、企業が活動を通して得た学生情報は採用選考活動開始(卒業・修了年度の6月1日)以降であれば採用活動に活用できることになります。

●タイプ3とタイプ4のインターンシップの参加経験がない企業であっても、採用選考へのエントリーは可能であり、企業はそのことを学生に周知する必要があります。参加した企業であっても、学生はあらためてのエントリーが必要となります。

インターンシップのメリットとデメリット

新たに定義されたインターンシップについて、メリットとデメリットについて整理します。

【メリット】

・早い段階から自らのキャリアを考えることができる(タイプ1、タイプ2)
・自らの能力を職場での実務体験を通じて見極めることができる(タイプ3、タイプ4)
・学業を気にせずに参加できる

もちろん従来のインターンシップのように、業種・職種や職場環境への理解が深まったり、自己理解につながることもメリットです。また、インターンシップによって得た経験やスキルを自己PRにつなげられれば、選考時に有利に働くこともあるでしょう。

【デメリット】

・目的を持って取り組まないとただ参加するだけで終わってしまう

インターンシップはキャリア形成支援の取り組みですが、ただ参加すればいいわけではありません。目的意識がなければ得られるものも得られず、いくら就業体験をしても時間の無駄になってしまうかもしれません。

まとめ

新しいインターンシップでは、キャリア形成に対しての目的意識が大事になってくることから、これまで以上に主体的に取り組むことが大事になってきます。自分自身の状況や目的に合わせて、選べるものの中から取捨選択していきましょう。