今の会社を辞める時に必要になるのが「退職願」や「退職届」といった書類です。
ここではそれらの書き方と、提出のタイミングや提出方法について紹介します。
退職願と退職届の違い
退職願とは、会社に対して退職を願い出るための書類です。一般的には、いきなり退職願を作成して提出するのではなく、まずは口頭で退職の意思を伝え、退職に必要な手続きについて確認することが多いです。手続きを進める過程で、必要であれば作成し提出します。
退職届とは、退職することが確定した後に退職を会社に届け出るための書類です。事務手続きの記録として提出するものになるため、退職する際には必ず必要となる書類です。
ちなみに、「辞表」は会社の役員や公務員、雇用関係がない立場の人がその役職を辞める時に届け出るための書類であり、一般社員が使うことはありません。
退職願や退職届を提出するタイミングについて
民法上では退職したい日の2週間前に申し出をすればいいことになっていますが、1カ月半から2カ月くらい前には上司に意思表示をするのが一般的です。
まずは口頭で意思表示をした後、退職希望日を記載した退職届を作成し、上司に提出します。
その後は退職日や引き継ぎなどのスケジュールについて上司と相談していくことになります。退職日が正式に決まったところで退職届を作成し提出しましょう。
退職願・退職届の書き方
退職願と退職届は、手書きあるいはパソコン(Wordなど)で作成します。やりやすい方法を選んでください。
手書きの場合に用意するもの
◎便せん
B5が一般的ですがA4でも構いません。縦書きの方が一般的です。罫線のありなしはどちらでも構いませんが、罫線がある方が描きやすいでしょう。◎筆記用具
鉛筆ではなく、黒のボールペンか万年筆で書きましょう。摩擦熱で文字が消えるボールペンは使用しないこと。◎封筒
提出する際に使用します。便せんに揃えるかたちで白で無地のものがいいでしょう。
●書き方の例(退職願の場合)
●書き方の例(退職届の場合)
書き方のポイント
・最初の行の一番下に「私儀」と記載する
・退職理由については細かく書く必要はありません。自己都合の場合は「一身上の都合」と記載します
・退職願の最初の日付は退職希望日を書く
・退職届の最初の日付は上司と相談して決めた退職日を書く
・名前の上の日付は「提出日」を書く
●提出の仕方
作成したら三つ折りにし、封筒に入れます。三つ折りにする際は上部が上に重なるように折りましょう。直接手渡しするのであれば、封はしてもしなくてもどちらでも構いません。封をする場合は封字として「〆」と書きます。
封筒の表面には、真ん中に「退職願」あるいは「退職届」と書きます。裏面は、左下の差出人欄にあなたの所属部署と名前を忘れずに書いてください。どちらも基本的には縦書きです。書面をパソコンで作成した場合も、封筒は手書きで構いません。
退職願・退職届の渡し方
退職を願い出る時も同様ですが、できるだけ上司に時間をちゃんともらって1対1で渡すようにしましょう。退職するからといって雑な態度で渡すようなことは絶対にしないこと。
大事な書類ですから、封筒はクリアファイルなどに入れて、汚れたり折れ曲がったりしないようにして持ち運ぶようにしましょう。
書く前の注意点
大前提として、退職願を作成する前に必ず就業規則を確認しましょう。就業規則には退職の手続きに関する項目があり、そこにその会社のルールがまとまっています。例えば「退職希望日の●カ月前までに●●を提出する」などと期限や必要書類が決まっている場合は、それに従います。
また、作成にあたってもフォーマットが決まっていたり、企業指定の申請書があったりすることもあるので、事前に確認しておく必要があります。
もしルールが守られていない場合、退職の交渉や手続きが難航する可能性もないとは限りません。一番いいのは、退職を考え始めたらまず一度は就業規則に目を通しておくことです。
まとめ
退職願や退職届は書く内容が大体決まっているものになるので、難しく考えずに見本を参考に書けばいいでしょう。
退職の手続きは企業によって異なりますので、できれば、早いうちに必ず就業規則に目を通しておくこと。
そのうえで、手続きの手順や内容については上司や人事に確認するようにしましょう。立つ鳥跡を濁さず。次のチャレンジにスムーズに進めるよう、手続きはきちんと行ってください。