会社説明会では参加者からの質問を受け付ける時間が設けられます。
その会社についてより深く知るための質問や、質問をする際の注意点をご紹介します。
なぜ企業は質問タイムを設けるのか?
会社が参加者からの質問を受け付けるのには、次のような理由があります。
⚫︎不明点を解消してもらって、疑問がない状態で受けて欲しいから
質問の時間を設けることによって、会社側の説明だけでは理解できなかったことや不安点・疑問点をなくしてもらいたいと考えています。
会社のホームページや会社案内などの資料、説明会だけでは企業の全てを伝えることは難しいですし、応募者によって知りたい情報や興味を持つ情報は異なります。
会社のことをもっと知ってもらうことで、納得のうえで選考を受けてほしいと考えているのです。
⚫︎ミスマッチをあらかじめ防ぎ、辞退を減らしたいから
応募者に会社の情報をたくさん伝えることができれば、「合う・合わない」を考える際の判断材料が増え、結果的にミスマッチも起こりにくくなります。
選考が進んでからの内定辞退を防ぐためにも、早い段階から応募者が不安に感じていることをクリアにしておこうと考えているのです。
⚫︎学生が自社のどんな点に興味を持っているか知るため
説明会の参加者は会社に興味があるから参加しています。そうした人たちが自社のどういうところに興味を持っているかを企業側は知りたいと考えています。
応募者にとっては、そうした質問に対して会社がどのように答えるのかを通じて、その会社の姿勢や採用にかける熱意を知ることができます。
質問するときのマナー
挙手をして質問する場合は、真っ直ぐ手を挙げ、順番を待ちます。当てられたら、学校名と名前を伝えます。学部は必ず言わないといけないわけではありませんが、その企業の事業と関連があるなどの場合は忘れずに伝えましょう。学生でない場合は名前だけで構いません。
質問をする前に「⚪︎⚪︎についてご説明いただき、どうもありがとうございました」などお礼の一言や、説明会の感想などを少し添えてもいいかもしれません。その場合は、長々と話さず、できるだけ簡潔に済ませるようにしましょう。
質問への回答が全て終わったら、席に着いていた場合は一度立ち上がり、「どうもありがとうございました。よく分かりました」などと軽く頭を下げて席につきます。
もし、回答を聞いてもわからないことがあったり、どうしても追加で聞いておきたいことがあった場合は、回答してもらったことを受けるかたちで聞きたいことだけを簡潔に質問しましょう。
会社説明会での質問例
<仕事の内容・中身についての質問>
ほとんどの説明会では、その会社の社員が質問に答えてくれます。せっかくの機会ですから、働いているからこそわかる情報が聞けるような質問をしましょう。仕事の具体的な内容が聞けると、志望動機や自己PRの作成の際にも役立てられます。
また、仕事の進め方などを聞いておくことで、自分の求める働き方と合う・合わないが判断できたり、入社後の働き方をイメージすることができるはずです
【質問例】
- 私は⚪︎⚪︎業界にとても興味があります。競合他社と比べて「ここだけは絶対に負けない」という部分はどういうところですか?
- 貴社の事業において、競合他社との差別化をはかるために特に意識して取り組んでいることがあれば教えてください。
- ⚪︎⚪︎さんは貴社の「⚪︎⚪︎」という商品(サービス)のどういうところが好きですか?
- ⚪︎⚪︎職の一日の仕事のおおまかな流れを教えてください。
<仕事のやりがいスキルアップについて>
仕事の「やりがい」や「仕事を通じて得られること」を聞いておけば、志望動機をまとめる時に役に立つはずです。
気になっている職種がある場合は、その仕事に就いている先輩社員にピンポイントで質問してみるのもいいでしょう。
【質問例】
- 貴社での仕事を通じて、どのような力が伸びるとお考えでしょうか?
- ⚪︎⚪︎さんはどんな時に仕事のやりがいを感じますか?
- ⚪︎⚪︎さんが仕事をするうえでいつも心がけていることはどんなことですか?
- 貴社の仕事の中で、特に若手社員が「苦労していること」や「大変だと感じていること」があれば教えてください。
<活躍できる人物像についての質問>
活躍している人についての具体的な話が聞けると、その会社で求められる力や資質を知る参考にでき、自己PRを考える際にも役立てられます。
「会社がどういう人を評価する傾向にあるか」も見えてくるため、自分に合うかどうかの判断材料にもできるでしょう。
【質問例】
- 貴社で活躍している若手社員に見られる共通点があれば教えてください。
- 若手社員が多く活躍している部署があれば、その理由も合わせて教えてください。
- ⚪︎⚪︎さんはどのような新入社員と一緒に働きたいとお考えでしょうか?自分の部署に配属される人はどういう人であってほしいか教えてください。
- ⚪︎⚪︎さんが新入社員に期待していることがあれば教えてください。
<職場の雰囲気や働きやすさについての質問>
社内の雰囲気や仕事がしやすい環境かどうかは、なかなか説明しにくいため、いろんな角度から確認してみるといいでしょう。社員同士の距離感などから社風をうかがい知ることもできるはずです。
説明会の中で具体的な話がなかった場合は、「社内のコミュニケーションを活発にするために行っている取り組みやイベント」などについて聞いてみてもいいでしょう。
【質問例】
- 職場では、社員さん同士や上司・部下はどのように呼び合っていますか?
- 社長と直接話す機会はどのくらいありますか?
- ⚪︎⚪︎さんが入社前と入社後で感じたギャップがあれば教えてください。
- ⚪︎⚪︎さんが福利厚生の中で「これがあってよかった」と感じているものは何ですか?
質問する際の注意点
質問だからといって何を聞いてもいいわけではありません。「やりがちだけど、やってはいけないこと」を以下にまとめます。
⚫︎既に説明があったことを繰り返し聞く
説明会の中で一度話していた内容をまた質問すると、「この人はさっきの話を聞いていなかったのかな」と思われてしまいます。
回答する人にとっても二度手間となり時間を取らせることになりますので、そうならないように最初からしっかりと話を聞き、メモを取っておくようにしましょう。
⚫︎ホームページなどで調べればすぐにわかることを聞く
説明会は貴重な時間です。調べればすぐにわかることで時間を取らせるのはもったいないでしょう。
「こんなことも調べていないのかな」と思われればあなたの印象も悪くなりますし、事前にホームページなどをチェックしていないと思われたら「うちにはあまり興味はないのかな」と熱意を疑われてしまいます。
⚫︎残業時間やノルマなど答えにくいことを聞く
確かに気になることですが、会社側も最初から「実際はこれだけあります」とは答えないでしょう。
選考がもう少し進んで、細かいことを聞いてもよさそうなタイミングで確認する方がホンネを聞き出せるはずです。
また、最初からいきなりネガティブな質問をぶつけるのも、あまりいい印象は与えません。
⚫︎「Yes」「No」で回答が終わってしまうようなことを聞く
例えば「仕事のやりがいはありますか?」と質問してしまうと、YesかNoで回答が終わってしまいます。
気を利かせて話を広げてくれる回答者であればいいですが、それを最初から期待するのはNG。
であれば、「どんな時にやりがいを感じますか?」などと話が広がるような質問の仕方を心がけるべきです。
⚫︎長々と質問しない
参加者が自分一人だけの場合を除き、できれば質問は1つにとどめましょう。他の参加者の質問時間を奪うことになり、「自分勝手な人」だと思われてしまいます。
質問が1つであったとしても、聞きたいことがまとまっておらず長々と話してしまえば、答える側も答えにくくなります。聞きたいことはわかりやすいよう簡潔にまとめておきましょう。
まとめ
あくまで基本は「知りたいことを聞く」ことです。その会社に積極的に興味を持ち、説明会の前に自分なりに調べておけば、自ずと「ここがもっと知りたいな」と感じる部分が出てくるはず。大概のことは説明会の中で説明されますので、聞いてもわからなかったことや、もう少し深く知りたいことがあれば、質問の時間を活用して素直にぶつけましょう。
質問の仕方や内容を通じて企業側も応募者のやる気や自社への関心を判断しますので、それを意識しておくことも忘れずに。説明会の時間をうまく有効活用して、その会社の理解を深めてくださいね。