内定先企業から依頼される「健康診断」

何社も応募し、何度も面接を繰り返して、やっとの思いで「内定」を得た後、もしかすると内定先企業から「健康診断を受けて結果を提出してもらえますか?」と言われるかもしれません。

転職時に必要とされる健康診断。それらが必要とされる理由や具体的な項目について、お伝えします。

転職時に求められるのは「雇い入れ時健康診断」

結論から言うと、健康診断の結果提出を求められるのは「労働安全衛生規則第43条」に規定されているからです。『雇い入れ時健康診断』と呼ばれるものです。

元々雇用者は「雇い入れ時」と「年1回」健康診断を行う義務があります。今働いている職場でも年に1回健康診断を受けているのではないでしょうか。

雇い入れ時も同様に「健康診断」を行う義務があるため、面倒くさいと思うかもしれませんが、必ず行うようにしてください。

運送業など、企業によっては適性診断を兼ねているケースもあったりします。

いずれも業務の遂行や安全面で支障がないかを見極めるために必要なものとなります。

一般的には内定後~入社前までの間で受診

タイミングとしては内定を受けた後、入社前までの間に受診する必要があります。
※労働省(当時)の内容によると雇い入れの直後でも良いとなっているようです。

受診する場所については、特に規定がないことが多く、近所のクリニックなどに電話で予約を行ったうえで診断を受けるのが一般的です。前職で3か月以内に受診した結果があれば、それを転用して提出することも可能となっています。

なお、コロナ禍による未受診については、例外事項として遅れても良いと厚生労働省が回答しています。令和2年6月末までの間に、健康診断の実施時期を延期したものについては、できるだけ早期に実施することとし、令和2年10月末までに実施してください。なお、健康診断実施機関の予約が取れない等の事情により、やむを得ず10月末までの実施が困難な場合には、可能な限り早期に実施できるよう計画を立て、それに基づき実施する必要があります。

受診必須な項目

健康診断で必要な項目は以下となります。

  • 既往歴(過去に罹った病気や手術、治療について)および業務歴の調査
  • 自覚症状や他覚症状の有無
  • 身長、体重、腹囲、視力、聴力
  • 胸部エックス線検査
  • 血圧測定
  • 尿検査(尿中の糖および蛋白の有無)
  • 貧血検査(赤血球数、血色素量)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、y-GTP)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
  • 血糖検査
  • 心電図検査
  • その他企業が指定した項目(あれば)

費用は自己負担? 契約社員でも必要?

法律上は定められていないため企業の判断によるのが現状です。

受診する診療所などによっても費用が変わりますが、自己負担の場合大体1万円程度を見ておく必要があると言えます。なお、保険適用外なので保険証は不要です。

詳細な費用についてはクリニックなどに問い合わせるのが正確かと思われます。

法律上は「常時雇用する労働者」と定められているため、契約社員などであっても受診が必要です。「1年以上使用する予定で、週の労働時間が正社員の4分の3以上」となっている人は、アルバイトやパートの方でも必要になっています。

健康診断も転職活動の一部として理解する

転職活動は内定を貰ったので終了と言うわけではなく入社手続きを行い、入社後の定着までを持ってようやく終了です。健康診断も転職活動のひとつとして考え、滞りなく速やかに対応しましょう。

また、入社後の「定着」については、最初のうちは不安も大きいかと思います。

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