製造業における「新型コロナウイルス」の影響

新型コロナウイルスによる解雇者数が、最も早く1万人超えしたのがこの「製造業」です。

もともと従事者が多い業界ではありますが、その分「総数」としてはどうしても一番多くなってしまうのがこの業種の特徴となります。

今回は製造業から他業界への転職についてお話したいと思います。

製造業は幅が広く、業界内でも十分に移動が可能

最初に述べたことと真逆の内容になりますが、製造業に従事している方の転職に際して、最も有利なのは「同一業界内での転職活動」です。

そして、もしも今この記事をご覧になっているあなたが製造業で働いている方で「製造業はこの先が厳しい」と考えているのであれば、一度立ち止まって少し整理してみることをおすすめします。

製造業は大きく3つの産業に分けられる

経済産業省の分類では、製造業は大きく分類すると「生活関連型産業」「加工組立型産業」「基礎素材型産業」の3つの産業に分けられます。

参考:https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/wagakuni/2011/pdf/3.pdf

生活関連型産業

「食料・飲料」「繊維・衣服」「家具・装備品」など、日常生活に近い商品の製造を行っている産業

加工組立型産業

「一般機械」「電気機械」「輸送機械」と言ったいわゆる「機械」産業

基礎素材型産業

「木材・木製品」「化学工業」「鉄鋼業」「プラスチック製品」などの「素材」産業

理由がない限り、過去のキャリアは活かすべき

こうしてみると製造業は非常に幅が広いことがわかるのではないでしょうか?

探してみると、自身の仕事と同じようなことをやっているのに業績がとても好調な分野もたくさんあるのが製造業の強みでもあります。

何かしらの理由で転職を考える場合、可能であれば過去のキャリアは活かせた方がよく「製造業だから」とひとくくりにしないで、まずは同一業界内での転職を考えてみることをおすすめします。

同じ製造業であっても「活況」となる分野も

実は、製造業は、新型コロナウイルスによる解雇が一番増えている業界であるのと同時に「業績の上方修正」が最も多い業界でもあります。

東京商工リサーチのデータによると2020年に業績を上方修正した上場企業の中で、製造業は最多となり全体の約3割を占めます。

では、2020年の製造業で最も活況となる分野はどこになるのでしょうか?

例えばわかりやすいところでいうと衛生用品関連の分野やネットワーク機器の製造に関わる分野などが挙げられます。

それ以外にも、家庭での食事が増えたことにより食品製造業なども業績が好調です。

仕事への不満がなければ、まずは同一産業・隣接業種を検討するのがベターか

キャリアチェンジをしなければならない理由がないのであれば製造業のすそ野の広さは魅力的です。一番可能性が高いのは先に挙げた経済産業省の分類でいう同一産業内の隣接業種だと考えられます。

ご自身のキャリアに近い領域で「成長分野」があれば、そちらへの転職を検討するなどの方法がおすすめです。

製造業ならではの専門スキルをできる限り活かすことで、キャリアアップにもつながる可能性が出てきます。

それでもキャリアチェンジをしたい場合は、持っているスキルの棚卸しから

製造業は組織として規模が大きいケースが多く、分業制を取っているところがほとんどです。

製品企画、開発・設計、生産(製造)、販売、それぞれで保持しているスキルは異なり、「製造業のスキルと言えば〇〇」と一概に言うのは難しいところになります。

転職活動やキャリアチェンジを初めて行う場合は、まずは自身の日頃の業務を整理し、それぞれがどのような形で他の業界や職種の仕事で活かせるかを検討してみましょう。

製品企画であれば、移動先業界の需要やトレンドを確認し、必要要件をまとめられるか。需要調査を、どのように行えばよいかなどを整理することが重要かもしれません。

また、生産(製造)であれば、効率化について、自分が携わったテーマ、業務実績、考え方などについて、まとめてみるのが良いかもしれません。

具体的なイメージがわかない場合

製造業はすそ野が広いというお話をしましたが、すそ野が広いということは選択肢も多く、自分に合った会社を選ぶことが難しいということです。

この記事を読むだけでは具体的なイメージがわかない方は、是非「東京しごとセンター ヤングコーナー」に足を運んでください。

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