初めての就職活動では、面接を受けるのも不安だと思います。
そこで、面接当日のシミュレーションができるよう、会社に到着してから出るところまでの採用面接の一部始終を解説します。

面接は会場に到着した時から始まっている

面接の準備というと、「面接官とのやりとり」ばかりに気がいってしまいがちです。しかし、面接は会場に到着した時から始まっているといっても過言ではありません。

なぜなら、あなたが気づいていないところでも、振る舞いを「見られている」からです。きちんとしたマナーが身についている人なのか、ちょっとしたことでも相手への配慮ができる人なのか。そうした部分を、面接官だけでなくその会社の人々があなたの些細な行動から見極めようとしているのです。

面接当日の全体の流れを知っておくだけでなく、そこでどのような振る舞いが必要なのかを知っておくことも、事前に準備しておくべき大事な面接対策なのです。


面接しているイラスト

面接当日の流れと注意点、おさえるべきマナー

面接会場に到着してから、退室するまでの流れは次のようになります。

(1)会場に到着、受付を行う
(2)控え室で待機
(3)面接会場へ
(4)面接スタート
(5)退室を促される
(6)会場を出る

ここからは、それぞれの注意点を整理します。

(1)会場に到着、受付を行う

まずは到着時間ですが、遅くとも開始の10分前には到着できるよう、時間に余裕を持って面接会場に向かいましょう。万が一の時に備え、地図をプリントアウトしたものや、緊急連絡先を忘れずに手帳などに書き留めておくこと。

なお、スーツの上にコートなどを着ている場合は、面接会場となっている建物に入る前に脱いでおき、手で持っておくのがマナー。もちろん携帯電話の電源は切っておきましょう。

受付では、「○時からの面接を受けにきた○○と申します」とハキハキと元気よく伝えましょう。最近は受付に設置されたタブレットを使って担当者を呼び出す方法も多くなっています。そうした場合に困らないよう、訪問先の部署名や担当者名は事前に確認しておくこと。もしわからなければ、代表窓口を選んで連絡し、面接に来たことを伝えましょう。

(2)控え室で待機

担当者が入り口まで迎えに来てくれたら名前を伝え、一言お礼を言いましょう。その後は指示に従います。

面接の順番が回ってくるまで、控室で待機する場合は、たとえ周りに誰もいなくても、携帯電話をいじるなど、面接とは関係のないことはしないようにしましょう。どこで誰が見ているかわからないからです。

だからといって、何もしないでじっとしていると逆に緊張してしまうことがあります。深呼吸をしたり、頭の中で面接のシミュレーションをしておくといいかもしれません。

(3)面接会場へ

名前を呼ばれたら、「はい」と元気よく返事をします。面接会場に入室する際はドアを軽く2回ほどノックし、面接官の「どうぞ」という声が聞こえたら、「失礼します」と言ってドアを開けましょう。

面接会場によっては、控室ではなく先にあなたが面接を行う部屋に通され、後から面接官が入室してくる場合もあります。その時は、面接官が入ってきたらすぐに起立してあいさつをしましょう。

(4)面接スタート

面接の冒頭では、必ず起立した状態で相手の目を見て「○○と申します。よろしくお願いします」としっかり伝えます。その後は、面接官に着席を促されてから椅子に座ること。いきなり自分から座ると、横柄な印象を与えてしまいます。

また、起立する、座る、などの動作はできるだけキビキビと行うことで、元気な印象を与えることができます。背筋をピンと伸ばすなど、良い姿勢を意識しましょう。

面接中は、質問されたことに対してハキハキと相手がちゃんと聞き取れるように答えること。そして、笑顔を忘れないようにしましょう。ほとんどの面接では終盤に「何か質問はありますか?」と聞かれますので、それまでの説明でわからなかったことがあった場合はそのタイミングで質問するといいでしょう。

(5)退室を促される

質疑応答が全て終了すると、面接官から退室を促されますので、その場で「ありがとうございました」と笑顔で元気よくあいさつをしましょう。

もし、その後の選考についての説明などが何もなく、どうしても聞いておきたいことがあった場合は、お礼を伝える前に「最後に申し訳ありませんが……」と確認するといいかもしれません。

ドアを閉めて退室する場合は、閉める前に再度「ありがとうございました。失礼します」と丁寧にあいさつし、静かにドアを閉めます。

(6)会場を出る

面接が終わって退室したら、速やかに会場を出た方がいいでしょう。気になって社内をうろうろしたりすると、「どうかされましたか?」などと声をかけられて気まずい雰囲気になったり、最悪の場合は怪しい人だと思われてしまいます。

廊下だけでなく、トイレやエレベーターの中でも、「誰に見られているかわからない」という意識を忘れないようにし、最後まで気を抜くことなく会場を後にすること。受付の人がいる場合は、忘れずにあいさつしましょう。


面接会場を出てからも油断は禁物!

面接会場の周辺には、その会社の社員が歩いていることもあります。

面接が終わって緊張が解けたとはいえ、大きな声で携帯電話で話をしたりするのは避けましょう。ましてや、会社の印象などを大声で話すなどはもってのほか。面接が終わったらできるだけすぐに会場から離れること。誰がどこで見ているかわかりませんので、会場を出てからもしばらくは面接が続いていると心得ておいた方がいいかもしれません。

まとめ

面接に慣れないうちは、緊張してしまうのは仕方がないことです。だからこそ、事前のシミュレーションや準備が大事になってきます。

面接官とのやりとり以外にも、会場での振る舞いやおさえるべきマナーをきちんとわかっていれば自信を持って面接を受けることができますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。