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オンライン面接(WEB面接)が増えてきた
新型コロナウィルスが流行してから、世の中は大きく様変わりしました。ソーシャルディスタンスを保つことが推奨され、対面による接触がむずかしい中、就職活動・転職活動では「オンライン面接(WEB面接)」を行う企業が増えてきました。
今回はこのオンライン面接(WEB面接)が従来の面接とどのように違うのか、何に注意しておくべきなのかについてお伝えしたいと思います。
微妙なロスが生じやすい点に注意
面接における最終的なゴールや目標を考えたときに、自分が入社したい企業の採用担当者に「この人を採用したい!」と思わせるという点においては、オンライン面接と従来の面接に違いはありません。
しかし、オンライン面接で注意しなければならないポイントとしてコミュニケーションのロスが発生しやすいということが挙げられます。
実際にやってみるとわかりますが、オンライン面接の場合、ごくわずかなタイムラグが生じたり、音の聞き取りにくさが生じたりするので、やはり対面と比べると難しいところがあります。
普段どおりに話していたつもりでも、マイクの音量が小さくてあまり聞こえていなかったり、回線の調子によって聞き返さなくてはならないような事態が発生したりするケースがあります。すると、相手も自分もどうしてもそれらのことが気になってしまい、肝心な会話の中身について、フワフワと宙に浮いたようなやり取りになってしまうことがおこるのです。
では、実際のところ、どのような対策を行っていけば良いのでしょうか。詳しく説明していきたいと思います。
ポイント1. 動作確認を事前に行う
これはとても基本的なことですが、だからこそとても重要です。ソフトや回線に問題が生じていないか、事前に確認を行うようにしましょう。マイクやカメラは認識されていますか?声を出したときに、相手にもきちんと伝わるか、家族や友人にも協力を依頼して、事前にテストを行うことをおすすめします。採用担当者に対して迷惑をかけたり、謝らなくてはならないような事態が起こったりすると本来の実力を出しにくくなります。そのようなことが起こらないように、準備をしっかりと行いましょう。
ポイント2. 相手の顔を見ながら話す
これは、対面による面接や普段の会話の中でも、実はあなたが無意識の中で行っていることですが「今、相手が喋ろうとしているかどうか?」を察知することがとても重要です。
オンラインの時にはより一層の関心を持ち、画面に映る相手の顔や口元をよく見ることがポイントです。相手の態度や雰囲気にも注意を払うことで、お互いが適切なタイミングで言葉を交わせるようなやり取りを心がけましょう。
ポイント3. 回線や機材は、可能な範囲で良い状態を整える
お金や設備に関わる問題でもあるので、一概に解決できるかは分かりませんが、もしも回線や機材を整えられるのだとしたら、そこはしっかりと対策を行ったほうが良いかもしれません。
建物の状況として「無線LAN」による回線が少し不安定なのであれば、有線による接続に変えることを検討してみると良いでしょう。また、携帯電話のテザリングを用いたインターネット回線では、音声と映像以外に「画面共有」などを行うと、遅延が生じたりするケースがあるようです。面接中、履歴書や参考資料を上映したりする可能性がもしもあれば、回線の状況にはより一層の注意を傾けておくと良いでしょう。
また、カメラやマイクは既にあるものを使う形で問題ありませんが、もしも聞こえづらい、映りが悪いということがあれば、機材や部屋の明るさを見直すと良いでしょう。
オンライン面接のメリット
オンライン面接ならではのメリットもあります。
例えば、どこにいても面接が受けられることにより、地方の学生が数万円の費用と時間をかけて都内に向かう必要がなかったり、カメラの死角にメモを用意していても問題ないことなどが挙げられます。
求職者全員が同じ条件で就職活動を行っている今、オンライン面接のポイントを理解し、そして活用できるようになることで、ライバルの前を行きリードをすることができるようになるのです。
服装は企業を訪問する場合と同じものを選ぶ
実際に面接の準備を行うにあたって、基本的なところで心配になるのは「どのような格好で面接に臨めばいいか?」という点ではないでしょうか。
もしも、あなたが「対面による面接であれば、スーツを着用していた」と思うのであれば、オンライン面接であってもスーツを着用していたほうが無難です。
画面に映る部分は一部ですので、場合によっては上半身だけでも問題ないかもしれませんが、ちょっとした身動きによって、予期せぬ形で映り込んでしまう可能性もあるため、特別な事情がなければ全身で着用し、企業を訪問する時と同じ状態にするのが良いでしょう。
ただし、腕時計については、パソコンやスマートフォンを操作するときに、ガチャガチャとぶつかる音が入り込んでしまう可能性があるため、外しておくと良いかもしれません。時間の管理は、パソコンの時計を確認したり、そばに置き時計を用意したりすると良いでしょう。
オンライン面接の流れ
一般的な就活マナーのテキストにはオンライン面接についてあまり記載されていません。
そして、企業目線から見たときも、実は一般的なやり方というのが現時点では確立されておらず、まだまだお互いが手探り状態であるというのが実情です。
ここではその中でもある程度一般的な流れと注意点をお伝えします。
日程調整
ここは従来の対面型面接と変わる部分はありません。就職活動ではほとんどの場合、相手方から指定された日時に合わせて調整することが原則です。ただし、その中でももし選択が可能だったり希望が通りそうなのであれば、できれば周囲にあまり人がいない時間帯や静かな参加場所を選んでおくと良いでしょう。また、この際にどのようなツールを利用するのか事前に確認できると面接前にテストできる可能性があります。
環境準備
前述のとおり、事前にツールを使ってみて、不具合がないか確認をしておきましょう。特にカメラの位置や角度については実際に映してみて、背景に見られたくないものが映り込まないように工夫してください。もし難しい場合はシンプルな背景を合成するやり方もありますが、100円ショップなどでシャワーカーテンを購入し、背景にすることも有効です。スマートフォンで面接を行うこともできますが、なるべく傾きなどが生じないよう水平に置けるスタンドなどを準備してください。
参加タイミング
一般的な面接では、約束の5分前を目指して相手の会社に訪問をするイメージですが、オンライン面接の場合は時間の1分前~ぴったり位にURLにアクセスすると良いでしょう。
初めの挨拶
通常の面接のようにきちんと挨拶から始めましょう。
また、プラスして回線の状態を確認し、自分の話し声が聞き取りにくくないかなどを聞いて、必要な調整を行ってください。
質疑応答
対面の面接の時と、これといった違いはありません。もしも、相手の声が聞き取りにくい場合や回線の不調で途切れてしまった場合は、どこから聞き取れていなかったかを丁寧に伝え、再度聞き直しましょう。ほとんどの企業が「社内の打ち合わせ」や「他社とのミーティング」で経験していることなので、そこまで気にしていただく必要はありません。
締めの挨拶
通常どおり、きちんと挨拶を行ってから退出しましょう。
途中、回線の不調などがあった場合はそれらについてお詫びの言葉を申し述べるとともに、「不明点などあればメールでも回答いたします」と言ったフォローもあればなお良いかもしれません。
退出
切断がきちんとされていることを確認しましょう。
うっかり切り忘れて不用意な発言を聞かれてしまったりすると致命的です。
こうした流れをイメージして、面接の準備に取り掛かってみてください。
オンライン面接で準備しておくと良いもの
オンライン面接ならではのものになるかもしれませんが、以下を用意しておくとちょっと便利かもしれません。
イヤホン
周囲の環境によっては音が聞き取り辛いことがありますので、イヤホンついては極力準備するようにしましょう。
最近はワイヤレスイヤホンを利用するケースが多くなっていますが、事前の充電はしっかりと行うようにしておいてください。
メモ用紙
対面による面接では、テーブルがあるのかどうかなどが不明だったりするので、何かしらのメモを取る準備をしておくべきか、迷うかもしれませんが、オンライン面接ではカメラの範囲外であれば置いていても特に問題ありません。面接中に気になったことなどを書き留めておいて、逆質問の際や質疑応答に役立ててください。
ノートPCを持っている人であればその場でタイピングしてメモしたいかもしれませんが、タイピング音が響くと相手も聞き取り辛かったりするので、できるだけやめておきましょう。
事前メモ(カンペ)
自己PRや志望動機を事前に書いておいて、パソコンやスマートフォンの後ろに貼っておくと、相手の方を見ながら抜けもれなく自然に話せます。
この時、書くのは箇条書きだけにしておいた方が、文章の棒読みになるのを防げるのでおすすめです。
可能であれば、オンラインを想定した面接の質問と回答を自分の中で用意し、きちんと答えられるように練習をしておきましょう。
無料で受けられる面接対策
東京都が設置している就業支援施設「東京しごとセンター ヤングコーナー」では、オンライン面接をはじめとする「面接練習」の支援経験が豊富なアドバイザーが多数在籍しています。
面接を行う側の立場からのアドバイスも貰えるので「こうした状況なのだがどう受ければ良いのか」、「こうした対応は失礼にあたらないか?」などについても、回答を貰うことができます。
少しでも不安を払しょくして、ご自分の魅力をきちんと伝えられるようになってください。