就職活動を進めるうえでは、求人票をしっかりと読み解くことがとても重要になります。
ここでは、求人票の見方や、見る際のポイントについて紹介します。

求人票を読み込む前に

求人票に書かれていることは、企業が応募者に伝えたいことです。求人票をしっかりと読み解くことが、その企業を知るための重要なカギとなりますし、自分に合う会社を知るための大きな手掛かりにもなります。

読み取り方次第では、その企業に対してどのようなアピールをすればいいのかも見えてきます。各情報をどういう視点でチェックしていけばいいのかを、しっかりと頭に入れてから求人票をチェックするようにしましょう。



求人票のイメージ画像

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●事業内容

企業がどのような事業をどのような思いで行っているかが簡潔にまとまっています。会社のホームページなども一緒にチェックして、事業についての理解を深めましょう。

創業への思いや、その事業や製品・サービスが生まれた経緯などが書かれていることもあります。そうした内容に共感できるかどうかも、企業選びにおいては非常に重要になってきますので、じっくり目を通し、興味を持ったことやわからない内容があれば面接などでも確認するようにしましょう。

●募集背景

その企業がなぜ人を募集しているのかが書かれています。単純に欠員を埋める場合もあれば、事業を拡大するために多くの人が必要な場合や、新規事業を始めるにあたって特定の経験やスキルを持つ人を欲している場合など、その理由は様々です。

いずれにしても、自分自身が会社に求めることや今後やりたいことと合致するかはきちんと見極める必要があります。

●仕事内容

今回採用する人に担当してもらいたい業務の内容がわかります。

気をつけなくてはいけないのは、職種名が同じであっても、企業ごとに仕事内容が異なる場合があることです。例えば「営業」といっても、どのような人を相手に行うかによって、具体的な業務内容や求められる経験・スキルは変わってきます。

ただ上部だけの職種名で勝手にあれこれと決めつけず、具体的にどのような人に対してどのような仕事をするのかを理解しましょう。深く知るためには、募集背景や事業内容も合わせて確認することも大事ですし、わからないことがあれば面接の場でも確認するようにしましょう。

●応募資格・応募条件

その求人の対象になる人がどのような人であるかがまとまっています。具体的には、求める経験やスキル、知識、資格名やそのレベルなどが記載されています。

見極めたいのが、「必須条件」なのか「あると望ましい条件」なのかです。その仕事をするために最低限備えていてほしい条件を満たしていない場合は、応募がなかなか難しくなります。しかし、「資格は必須ではないが○○の経験者は歓迎」「業務経験○○年以上の方は優遇」などのような記載があってそれを満たしている場合は、遠慮せずにチャレンジしてみましょう。

●勤務地

「会社の本社がある場所=勤務地」とは限りません。実際に働く場所がどこになるのかは、この項目で確認しておきましょう。

エンジニアの求人などによくありますが、受託事業や技術者派遣事業などをしている企業の場合は、入社後に担当業務が決まる場合があります。そういった時の勤務地は「都内」「一都三県」などの記載しかないことも多いので、実際にどのような可能性があるかは面接などで確認しましょう。

また、支社が複数ある企業の場合は、勤務地が遠方になる場合や、入社後に転居をともなう転勤が発生する可能性もあります。不安な人は最初に確認しておくといいでしょう。

●勤務時間

その会社が規定している始業時間・就業時間が記載されており、合わせて休憩時間が書かれている場合もあります。職種ごとに違っている場合もありますので、よく見ておきましょう。

最近はフレックスタイム制を導入している企業も多くなっています。フレックスタイム制とは、従業員自身で業務の都合に合わせて出社・退社時間を決められる制度のこと。一日に勤務しなければいけない時間(標準労働時間)や、必ず出社していないといけない時間(コアタイム)もセットで書かれていることがほとんどなので、あわせて確認しましょう。

勤務時間を確認することで、入社後の働き方やライフ・ワーク・バランスがイメージしやすくなります。

●雇用形態

正社員、契約社員、アルバイトなど、その会社とどのような雇用形態を結ぶことになるかがわかります。

企業側がその社員の適性を判断するために「試用期間」を設けている場合は、その目安についても記載があります。

契約社員やアルバイトでの採用の場合に「正社員登用制度あり」と記載がある場合もあります。ゆくゆくは正社員を目指したい人は、どのような条件を満たす必要があるかや、これまでの社員登用実績を面接などで確認しておくといいでしょう。

●給与

入社後に社員として働く中で受け取れる基本的な金額がわかります。「月給15万〜25万円」「年俸300万〜600万円」などのように記載されている場合は、応募者の経験やスキルなどによってその範囲内で決まることになります。

「28歳・勤続5年・チームリーダー:年収400万円」といったように年収例が書かれていることも多いので、自分の場合はどうなりそうかの目安にしましょう。

賞与が支給される場合の額の目安や支給回数、支給時期についてもここで確認しましょう。

●休日・休暇

週にどれだけ休めるかや、長期休暇が取れる時期、年間での休日日数などが書かれています。

注意が必要なのは、「完全週休2日制」であっても、土・日休みとは限らないということです。土・日や祝日に休める場合はその旨の記載がありますので、ない場合はどういうルールになっているのかをきちんと確認しましょう。

業界によっては平日休みが一般的となっているケースもあります。例えばサービス業では土・日に出勤するかわりに平日に休みをとることになりますが、いつ休めるかは会社によって決め方が変わります。面接時に確認するといいでしょう。

その他、会社独自の休暇制度を設けている場合もここで確認できます。その内容で社風や経営者の従業員に対する考え方が垣間見られることもありますので、隅々まで確認してみましょう。

●会社概要

会社の基本的な情報がまとまっています。企業ホームページにも同様の内容が記載されていることがほとんどですが、企業理解を深めるために必ずチェックしましょう。

●企業からの応募者へのメッセージ

このような項目がある場合は、そこに企業が応募者に特に伝えたいことがまとまっています。例えばその会社のビジョンやミッション、大切にしたいことや、応募者に期待すること、応募者にアピールしたいことなどです。

大事なのは、応募者であるみなさんが「大切にしていること」や「企業に求めること」と一致するものがあるかどうかを確認することです。自分に合う会社であるかどうかの判断材料にもできます。

加えて、企業がどのような人を求めているかも見えてくるでしょう。面接や応募書類でどのようなアピールをすればいいかを考える参考になるため、しっかり目を通してください。

求人票で気になることがあったら

求人票のスペースには限りがあることから、企業が伝えたいことの全てを伝えきれているとは限りませんし、目を通してもわからないことや、もっと詳しく知りたいことがあると思います。

その場合は面接の場を活用してしっかりと確認することが大事です。「求人票にはこのように書いてあったのですが、もう少し具体的に教えていただけますか」などと聞けば、失礼にはあたりません。ただし、調べればわかるようなことを聞くのは逆に悪い印象を与えてしまいますので、気をつけましょう。


まとめ

求人票や求人広告は、その企業について知るための1つの大きな入り口です。企業からのメッセージをしっかりと受け取ることで、選択肢は広がりますし、自分に合った会社も見つけやすくなります。

東京しごとセンターヤングコーナーでも、求人票の見方について理解を深めるようなイベント・セミナーを開催していますので、あわせて活用してみてください。