自己PRを書くことで得たい結果は、まずは「書類審査の通過」ですよね。

それなら、何を書くべきかは自ずと決まってきます。ずばり、「企業が評価してくれる内容」です。よくよく考えてみてください、その企業への入社を希望し、その企業にアピールするために書くのが「自己PR」なのです。よって、当然のこととして、あなたがその企業に評価してもらえるような自己PRを書く必要があります。

では、その企業が評価してくれる内容とは何なのか?この答えは、ずばり「採用ページに書いている内容」になります。採用ページやコーポレートサイトは、企業が応募者に対して自社がどのような考えのもと事業を行い、採用をしているのかしっかりと伝えられるような作りになっています。

つまり、企業として「うちの会社はここを見ています!」と言うメッセージを出してくれているのです。だからこそ、自己PRは「自分として一番自信があること」ではなく、相手(応募する企業)が一番大事にしているような価値観を、あなた自身も「自分の経験の中で、ちゃんと持っているよ!」ということを、具体的なエピソード等を交えながら、しっかりと伝えることが重要なのです。

まずはチェック!「応募先企業はどんなところ?」

一番最初に行うべきなのは「応募しようとする企業が、どんなところなのか?」を、しっかり調べることです。

  • どんな業界?
  • 業界内のポジションは?
  • 企業理念は?
  • 体育会系?文科系?
  • 顧客はどんなところ?
  • 採用サイトに書いている求める人材像は?

こうした内容をチェックすることで、企業が採用したいのがどのような人となりを持っている人物なのかがよく分かります。

「採用担当者の判断基準は『あなたと一緒に働きたいかどうか』だ」と言われるように、「同じ価値観を共有できるかどうか」はとても重要な要素です。

採用担当者も、その会社にいるならこうした企業文化や価値観を持っているのですから、そこを把握したうえで自己PRを書いたほうが圧倒的に良い評価を得やすくなるのです。

いきなり自己PRを書くのはやめましょう。

ゴールからの逆算!要件を満たすエピソードを考える

企業が求めている人物像がわかったら、次は自己PRにどんなことを書くのかです。

結論としては、「企業が求める人物像に合わせて、適切なエピソードを選ぶ」が正解です。

いわゆる就活指南本を読むと、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を主体に、自身を振り返り、それぞれのステージで身に着けたこと・学んだこと・どのように失敗を乗り越えたかなどを書くと良いと書かれています。

ですが、面接官の採用についての判断基準は、あなた自身が会社に入ってからしっかりと成長できるかどうかが大きな要素を含んでいます。

それであれば、最初から面接官が求めている人物像に焦点を当てて、「御社が求めている人物像に対して、自分はきちんとその条件を満たしている」と説明ができれば、書類審査を通過できる可能性がグッとあがるのです。

例えば野球経験者が自己PRを書く場合、自分のエピソードを説明することだけで頭がいっぱいになってしまいがちです。しかし、例えば、求人情報の「求める人物像」の欄に「自ら考え、動く人を求めています」と言う記載があったことを知っていると、同じエピソードでも以下のように書き方を変えることができます。

悪い例

自分は3年間練習に注力してスタメンに入り、夏の大会では5番レフトとして活躍してきました。部活動では厳しい練習についていく体力や精神力を培い、またチーム一丸となって試合に臨むための雰囲気作りや目標設定の重要さを学びました。その結果、大会ではベスト8に入る結果を残しています。

良い例

自分は3年間練習に注力してスタメンに入り、夏の大会では5番レフトとして活躍してきました。外野手は守備範囲が広いためポジション取りが命です。そのため常に打者の傾向や出塁状況、他ポジションの選手の位置取りを意識しながら自分なりに工夫を凝らし、フライの捕球、長打の抑制の成功率を上げられるよう常に意識していました。その結果として大会ではベスト8に入る結果を残すことができました。

ちょっとだけ相手(企業)に合わせてみるだけで、かなり具体的なアピールにすることができたりするのです。

文章はPREP(結論、理由、事例、結論)の書き方で400文字を目安に!

採用担当者は、大量の書類を見ないといけないため、時間がありません。

こうした場合、「結論から書く」と言うことが非常に重要です。この書き方で便利な考え方が、PREPと言うフレームワーク(書き方)です。仕事でもよく使われる構成なので、短時間で効率よくメッセージを伝えることができます。

例文としては次のような書き方です。

結論

私は自ら考え改善して成長していける人間です。

理由

なぜなら、部活やゼミにおいて常に改善を求められ、そしてそれに応えてきたからです

事例

高校ではサッカー部に所属し、ボランチ(守備的MF)のポジションで常に全体を見渡す必要がありました。試合の中で相手の戦術に対しどんなポジションを取るべきか、誰をマークしておくべきか、ボールを奪ったらどう組み立てるべきかを考え、さらには相手の対応に対して瞬時に判断しながら修正を行って最適な対応を検討していました。また、大学でも卒論のためのアンケート実施の際、最初はなかなか回答してくれる人を見つけられませんでしたが、声のかけ方、話す内容、話すタイミングなどを自分なりに改善し、必要数の回収を達成しています。

結論

こうした経験から、私は自分を「自ら考え改善し、成長していける人間である」と考えています。

こうした書き方で内容をコンパクトにまとめ、しっかりとメッセージが伝わるように工夫してみましょう。

まとめ

自己PRは一度作ったら終わりではありません。
書くたびにブラッシュアップを行い、質を上げていきましょう。

自己PRは面接の際の質問の参考になることも多い資料です。
常にブラッシュアップをすることで、面接でどんな質問が来ても対応できるようにもなってくるのです。

もしひとりでは考えるのが難しい場合は、大学の就職課や、私たち東京しごとセンターのアドバイザーに相談してみてください。

企業の求める人物像の読み取り方やエピソードの選び方など、経験豊富なスタッフが適切なアドバイスをしてくれるはずです。