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観光業における「新型コロナウイルス」の影響
新型コロナウィルスの流行によって、観光業界は大きなダメージを受けました。
外出を控える動きによって、国内外の旅行者が減り、20代の若年層であってもリストラ、雇止め、解雇などが大量に行われる事態が発生しました。
観光庁が2020年5月22日に発表している「主要旅行業48社の3月の旅行取扱状況(速報)」では、総取扱額が前年同月比71.4%減、失業者の3分の1が観光業から出ているともいわれている状況です。
旅行代理店などの企業において、内定取り消しなども発生してしまったようです。
こうしたコロナショックによる観光業の不況を機に、他の業界や職種にキャリアチェンジすることを検討としている人もいます。
今回は観光業からの異業種転職の可能性についてお伝えいたします。
他業界への転職は可能
まず結論からお伝えすると、観光業から他業種や他業界に転職することは十分に可能だと言えます。
特に、観光業従事者が持つ「ホスピタリティ」や「傾聴能力」は他業種でも十分活きる能力と言えます。
ただし、そうは言ってもアピール方法を間違えば望んだ結果にならない可能性も十二分に出てきます。
まずは自身のスキルの棚卸をしっかりと行い、強みをきちんと把握しましょう。
例えば、旅行代理店の方であれば、事務手続きを行うための「PCスキル」やメールや電話での「ヒアリング能力」、要望をまとめたうえでの諸条件を加味した「提案力」などが出てくるかもしれません。
また、ホテルや旅館経験があるなら「接客」や「段取り力」などが強みになってきたり、関連業者やビジネスパートナーとの「折衝力」がスキルとして認めてもらえる可能性が出てきます。
自分自身が持つスキルを分解し、棚卸しを行ったうえで、様々な業界で「こう使えばいける」と考えてみると、転職や再就職の選択肢が大幅に広がるかもしれません。
隣接業種 or 未経験業界?
異業種への転職の場合、多くの人が考えるのはまず隣接業界への転職です。
観光業であれば販売業やコールセンター、カスタマーサポートなどが比較的隣接している業種と言えると思います。
隣接業界を選ぶメリットとしては、過去のスキルをより直接的に活かしやすいので「成果をあげやすい」ということが挙げられます。
また、そのことにより、給与などの条件面でも、大きなマイナス影響を受けない転職をできる可能性が高くなります。
一方で隣接業界であることから現職と同様のリスクを孕んでいる可能性もあるため、業界動向や応募企業をきちんと調べておくことが重要です。
未経験の業界へ応募する場合は?
未経験業界へ応募する場合でも「サービスの質」や「異業種のナレッジ」を求める企業は数多く存在するため、可能性は十分にあると言えます。
基本は「ポテンシャル採用」となるため、スキルの棚卸をするだけではなく応募先企業や業界の業務に対して、どれだけの適応性があるかを説明できるようにしておくと良いでしょう。
また、スキルを直接的に活かせないケースも多いため、給与などの条件面で、いったん下がってしまう可能性が高いのもこのケースです。
いずれにしても異業種転職はキャリアチェンジとして捉えられ、少なからずキャリアのリセットとして見られる部分もあります。
あらかじめどこまでであれば許容できるのかを、自分の中で考えておくと良いでしょう。
特に、ご自身の考えとしては「キャリアのリセット」などではなく、しっかりとそれまでのキャリアの延長線上にあると思えるようであれば、それらのことを分かりやすく力強く主張しましょう。
観光業で働いていたからこそ持つ「強み」や「新しい視点」は?
他業種・業界への転職を行う際に気を付けておきたいのが、観光業で働いていたからこそ持つ「強み」や「新しい視点」を、志望動機の中でうまく取り入れながら自分自身をアピールすることです。
あなたにとっては未経験となる業界で、既にその業界で切磋琢磨してきている他の転職希望者と争うことになった場合、ごくごく一般的なアピールを行っても勝ちにくいのは当然です。
だからこそ「以前は観光業で働いていたからこそ持つ強みや新しい視点」を加えることで、人材としての「希少さ」や「伸びしろ」を感じてもらえるようにする必要があります。
面接などでも、応募先の業務に対して自分自身の過去のスキルが、どのような形で活きてくるのかを、しっかりと考えてアピールしていくことで、他の求職者との差別化を行うことができるようになります。
「応募先企業が求めているスキルは何か?」は求人票や面接の中で探り出す必要がありますが、そこがマッチしていた場合は他の応募者にはないあなただけの強みとして光らせることができるため採用に大きく近づくことができるのです。
具体的なイメージがわかない場合は、公共系の就業支援サービスへの相談も
観光業から他業種・業界に転職したり再就職したりするためのコツについてご紹介させていただきましたが、実際のところ、自分のスキルセットや応募したい企業を自分で見つけることはかなり難しいのではないでしょうか。
この記事を読むだけでは具体的なイメージがわかない方は、是非「東京しごとセンター ヤングコーナー」に足を運んでください。
東京しごとセンターは、東京都が設置した公共性の高い就業支援施設となり、お一人おひとりの状況にあわせたきめ細かなサービスを提供しています。
東京しごとセンターでは「観光業」で働いていた人の転職や再就職の支援経験を持つ、就業支援アドバイザーが多数在籍しています。
どんな業界へ転職実績があるのか、自分の経験をどんな形で棚卸すればよいのかなどを相談して転職活動をスムーズに進めるお手伝いが可能です。
ぜひ一度来館いただきどんなことでもご相談ください。