記事更新日:2025/08/01
最近では、コロナ禍以降の生活習慣が定着し、花粉症や風邪予防、肌荒れ対策など、さまざまな理由でマスクを着用する人が増えています。就職活動中の面接の場面でも、マスクをしたままでいいのか、それとも外した方がいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。
2023年3月に厚生労働省から「マスク着用は個人の判断に委ねる」との方針が示されて以降、面接時のマスク着用について明確なルールはありません。しかし、面接は第一印象が重要な場です。マナーや心配りの観点から、対応に迷ったときにはどうしたらよいのか、本記事でポイントを整理していきます。
目次
まず確認:ルールは企業によって異なる
面接時のマスク着用に決まった全国共通ルールはありません。企業や業界、地域、時期によって判断が異なります。そのため、応募先企業に事前確認するのが最も確実な方法です。
メールや電話での事前確認、また当日の面接直前に「マスクはこのままでよろしいでしょうか?」と尋ねる姿勢が好印象につながります。

どんなふうに聞いたらいい?好印象になる聞き方
もし企業からの決まった案内がない場合は事前に確認することがいちばん安全です。
面接会場に入ってから慌てないように、可能なら事前のやり取りの中で確認しておきましょう。
以下を参考に、失礼のないように聞いてみてください。
●メールの場合
このような文章で確認してみましょう。
面接の日時について○月○日○○時~ということで承知しました。
お忙しいところ大変恐れ入りますが宜しくお願い致します。
なお、当日はマスクを着用してお伺いしますが、面接中はどのようにさせていただくのがよろしいでしょうか
貴社としての方針などがあれば、ご教示いただけますと幸いです。
●電話の場合
このようなやり取りで確認してみましょう。
○月○日○○時~ということで承知しました。
恐れ入りますが、当日は宜しくお願いします。
面接当日のマスク着用について、御社の方針があれば教えていただけますか?
また、面接官がマスクをつけているかどうかは気になるところですが、つけている場合であっても、それは応募者に気遣っているのか、社内や業界の慣習なのか、体調面でのことなのか、その時点でははっきりわからないものです。
「つけていないから自分もつけなくていい」「つけているから自分もつけないといけない」などと勝手に判断せず、最初に確認しましょう。そうすれば、余計な心配をすることなく、すっきりした気持ちで面接に入れます。
マスクを外す場面もある
企業によっては、本人確認や表情確認のために一時的にマスクを外すよう求められることもあります。その際は、「失礼いたします」と一言添えて丁寧に対応しましょう。
また、マスクを外さないまま面接が終わる場合もあるかもしれません。
そんな時は、最後の挨拶時にマスクを外して顔を見せ、
「本日はマスクを着用した状態で失礼させていただきましたが、このような顔をしております。
ご縁があった場合には一生懸命頑張りたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします」などと述べ、それまでの雰囲気を壊さない「良い笑顔」を見せると、良い印象が残るでしょう。
気をつけたいマスクマナー
・マスクは無地で清潔感のある白やベージュが無難
・予備のマスクを数枚持参する
・メガネの曇り止め対策をする
・声がこもりやすいので、ハキハキと話す
・外したマスクはマスクケースやカバンにしまう(机の上や手持ちはNG)
・マスクを外すことになった場合も考えて、口元は清潔感を意識しておきましょう
面接前に歯を磨いたり、口臭予防のためのアイテムなども活用し、相手に不快感を与えないよう気をつけてください。
オンライン面接では?
原則としてマスク着用の必要はありません。
ただし、自宅以外の場所でオンライン面接を受けるなど、周囲の状況からマスクを着用しないといけない場合は、最初にその旨を伝えるようにしましょう。
対面ではない分、表情や声が伝わりにくいのがオンライン面接の難点です。できるだけマスクはせず、顔が見える状態で面接を受けるようにしましょう。
面接でのマスク着用・取り扱いに関するNG行動とその対策
| NG行動 | 対策 |
|---|---|
| 何も確認せずに入室の冒頭からマスクを外してしまう | 入室時に必ず『マスクはこのままでよろしいでしょうか?』と確認をとる |
| 口元が不衛生な印象になっている(ひげの剃り残し、口臭対策不足など) | 面接前に歯磨きや口臭対策をし、清潔感を保つ |
| 外したマスクをそのまま机の上に置いたり、ポケットに突っ込んでしまう | マスクケースや封筒にしまうなど、清潔感のある取り扱いをする |
| マスクを着けたまま話す際に、声が小さくて聞き取りにくい | いつもより大きめの声で話すことを意識し、聞き取りやすさを意識する |
| 面接中、頻繁にマスクを触ったりズラしたりする | 事前にマスクの装着位置を調整し、面接中は触らないようにする |
| 汚れたマスクや使用感の強いマスクを使っている | 新しいマスクを着用し、予備も持参する |
| マスクの色柄が派手すぎる | 白・グレー・ベージュなど落ち着いた無地のマスクを選ぶ |
その他の注意点
●マスクの選び方
服装と同様に、ビジネスシーンに合った、派手すぎないものを選ぶのが無難です。
無地で、色は白であれば間違いはありませんが、薄いグレーやベージュなどの控えめで落ち着いた色でも問題ありません。汚れがない、新しくてきれいなものを用意しましょう。
●予備を忘れずに
面接に向かう途中で汚してしまったり、落としてしまうなどの不測の事態がないとも限りません。普段から予備のマスクをカバンに2〜3枚入れておけば安心です。
●メガネの人は曇り止め対策を
メガネをかけている人は、マスクを着けているとレンズが曇ってしまうことがあります。面接官にとっては表情がわかりにくくなりますし、あなた自身も曇りが気になって面接に集中できなくなります。曇り止めを防ぐためのグッズなどもありますので、事前に対策を考えておきましょう。
●大きめな声を意識する
マスクをしていると口元が隠れていることもあり、声が相手に伝わりにくくなります。少し大きめの声を出すように意識したり、大きく頷くなど多少大きめのアクションを心がけましょう。
まとめ
マスクの着用について明確なルールがない今だからこそ、応募者自身の気配りが評価されるポイントになります。対応に悩んだら、企業に確認する・相手の意向を尊重する姿勢が何より大切です。
こうした細やかなマナーや振る舞いは、就職活動を進めるうえで意外と見落としがちです。東京しごとセンターヤングコーナーでは、面接時のマナーから不安の相談まで、プロのキャリアアドバイザーが丁寧にサポートしています。オンライン・対面どちらでも対応可能ですので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。











