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マスク着用が日常的に
新型コロナウイルスの流行を境に、私達の生活には様々な変化が出てきました。ソーシャルディスタンスや咳エチケットという言葉が使われるようになり、マスクを着用することが、社会生活におけるマナーのようになってきています。
就職活動や転職活動への影響も大きく、これまでは対面で行うことが当たり前であった面接試験も、オンライン化が進み「Web面接」などが採用されるようになってきました。
しかし、いまだに「対面」による面接を重視している企業も多く見られます。そうなった時に気になるのは、既に社会的なマナーのようになっているマスクの着用について、「対面による面接試験にのぞむ時は、マスク着用するべきか?」ということではないでしょうか。
新しい生活様式としては「マスクの着用」が推進されているものの、面接マナーとして「どうあるべきなのか?」ということが、まだ確立されていません。今回はこの面接時のマスク着用について、どのように対応していけばよいのかを考えていきたいと思います。
面接では、マスクを着用すべきなのか?
面接時のマスク着用は「企業や世間的な状況によってまちまち」というのが現状です。
新型コロナウイルスの流行や、それに対する世間的な意見や捉え方は常に変化をしており、企業としてのリスクに対する意識、業種や主力商材、内勤・外勤の違い、そして経営者の方針なども多分に影響しているため、完全にルールとして定着しているものがないというのが現状となります。そのため、「これをやっておけば安心」と言うものがあまりありません。
そうは言っても、応募者の立場としては不安なところです。こうした場合は以下にお伝えするような形で様子を伺いながら適切な対応を取ることをお勧めしています。
自身の安全対策や情報収集を怠らない
まず大切なことは、自分自身の身はしっかり守るということです。また、刻一刻と状況が変わる中で、国や自治体、学校や応募先企業から発せられる情報に耳を傾けることはとても重要です。
安全を保ちながら、就職活動や転職活動をより優位に行うためにも、常に最新の情報を収集することを心がけましょう。
可能であれば、日程調整の段階で事前に確認を
一番確実なのは、日程調整段階で確認することです。
メールの場合、このような文章で確認してみましょう。
面接の日時について○月○日○○時~ということで承知しました。
お忙しいところ大変恐れ入りますが宜しくお願い致します。
なお、当日はマスクを着用してお伺いさせていただきますが、面接中はどのようにさせていただくのが宜しいでしょうか?
貴社としての方針などがあれば、ご教示いただけますと幸いです。
電話の場合は、このようなやり取りで確認してみましょう。
○月○日○○時~ということで承知しました。
恐れ入りますが、当日は宜しくお願いします。
ちなみに、面接内での「マスクの着用」について、どのようにさせていただくのが良いか、今の段階ですこし気になっているのですが…。
御社としての希望や方針などは、ありますでしょうか?
本来の実力を発揮しやすくなる
大切なことは他にもたくさんありますが、マスクの着用について礼儀正しく聞くことで「ちゃんとしているな」と良い印象を持ってもらえる可能性があります。
また、応募先の企業と事前にすり合わせをしておけば、本来は不要である「不安な気持ち」を事前に打ち消し、安心して面接を受けられるようになりますね。
本来の実力を発揮するための下地づくりはとても重要ですので、面接にのぞむ前に無理なくできそうなことがあるのならば、ひととおりのことを実施しておきましょう。
面接官の人柄や企業としてのスタンスが事前にわかる
応募先企業の文化や価値観を予測するための情報を、面接を受ける前に事前に入手できるというのも、大きなメリットの1つになるかも知れません。
例えば、採用担当者から「○○の製造を行っている弊社では、全社的に厳戒態勢で望んでいるので、例外なく着用をお願いします」という回答をもらった場合と、「個人的には、皆さんのお顔も見させていただきながらお話をさせていただきたいのですがね…。でも、このご時世ですので、着用をお願いしております」という回答をもらった場合と、面接で心がけるべきマナーや、アピールをする際のポイントが、若干変わってくるように思います。
また、「皆さんのイキイキとした表情もぜひ見させていただきたいので、面接中は外してください」ということであれば、ただ単純にマスクを外してのぞむだけでなく、人柄が伝わるぐらいの表情に満ちた受け答えを心がけたいものです。
ちょっとしたやり取りからも、さまざまな情報を得ながら、自分にあった企業からの内定を勝ち取ってください。
事前の調整ができなかった場合は、面接の冒頭で断りを入れる
日程調整の段階でうまく聞き出せなかったりするケースや「お任せいたします」などの回答で判断できないケースも出てくるかもしれません。
その場合の対応方法についてお伝えします。
ただし、最初の方でも書いたように現時点では「決まった答え」がないため、この内容はあくまでもひとつの見解であるとご承知おきください。
STEP1:面接官がマスクを着用しているかを確認
マスクをしたまま入室し、面接官がマスクを着用しているかどうかをまずは確認します。
面接官が着用をしておらず、「自分も外したい」「外したほうが良い」と思った場合は、挨拶の前後で自然に外してしまうと違和感がありません。
また、面接官がマスクを着用していたり、着用をしたまま面接を受けたいと思う場合は、STEP2の対応を行いましょう。
STEP2:ひとこと声をかけて、了承を得る
マスクを着用したまま面接を受ける場合には、ひとこと声をかけておくと安心です。
「本日は感染予防の観点から、失礼ながらマスク着用のままお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」などと確認し、了承を得てからあらためて挨拶をし、面接を受けましょう。
気になっていることを「面接の冒頭」で解決してしまうことで、しっかりと実力を出せるようにすることが重要です。
STEP3:面接の最後でもフォローを
できれば、面接の最後にも「本日はマスク着用のままとなり、大変失礼をいたしました」といった言葉を述べておくと、相手に対して非常に「丁寧」な印象が残ります。
不明瞭なことに対して確認を取り、合意を貰ったうえで進めることは仕事上でも大事なスキルです。きちんと確認を取るようにしてみてください。
細かい部分での配慮やテクニック
企業によっては面接中のマスク着用を嫌がるケースもありますし、逆にマスクの着用をお願いしてくるケースもあると思います。
仮に第一志望の企業であれば、ある程度の割り切りも必要なため、自己判断でマスクを外す・着けるという選択を取ることもあるかと思います。
もしも、面接が始まるタイミングで外すことになった場合は、マスクをテーブルの上に置く行為は、衛生上よくない上、見た目も良くないので、必ずカバン・上着・マスクケースなどにしまいましょう。
また、事前にマスク着用NGが分かっている場合は面接を行う部屋に入った時点ですぐに外すなどの対応をしておきましょう。
僅かな時間だけマスクを外して「笑顔」を見せる
礼儀正しい挨拶から始まり、マスクを着用したまま、いわゆる面接としての一般的なやり取りが円滑に行われたとします。
面接官から「逆に何か、あなたの方から弊社へ聞きたことなどはありますか?」という逆質問を受けた場合には、気が利いた質問を1~2つ行いましょう。
その後、ちょっとしたテクニックのような形になってしまいますが、終わりの挨拶や最後のアピールをする際には、少しだけマスクを外して表情を見せるというのも良いかもしれません。
「本日はマスクを着用した状態で失礼させていただきましたが、このような顔をしております。ご縁があった場合には、一生懸命頑張りたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします」など述べ、それまでの雰囲気を壊さない「良い笑顔」を見せると、とても良い印象が残るでしょう。
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東京しごとセンターでは企業側の観点も持ち合わせた面接経験豊富なアドバイザーが多数在籍しています。
企業側との調整時のやり取りのポイントや、マスク着用についてどう判断するべきかなど、細かい部分でも相談を受けることができます。
判断に迷うようなテーマでは、実務経験に基づいたアドバイスが貰えるかもしれません。
ぜひご利用になってみてください。