エントリーシート(ES)や面接でよく聞かれる「学生時代に力を入れたこと」、いわゆる『ガクチカ』。
就職活動のなかで頻出するこの質問に対し、「特に何もしてこなかった」「部活やバイトだけでは弱いのでは?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、ガクチカは単なる成果アピールではなく、企業側があなたの人柄や仕事への姿勢を見極める大切な情報源なのです。
本コラムでは、なぜ企業がガクチカを重視するのか、そして企業が本当に知りたい“中身”とは何かについて解説していきます。
アルバイトやサークル活動、ゼミや研究、ボランティアなど、何に打ち込んできたのかは人それぞれ。しかし企業は、そこから“どんな姿勢で取り組んできたか”や“困難にどう向き合ったか”といった「人となり」を見極めようとしています。
目次
ガクチカは“実績”より“姿勢”を見ている
企業がガクチカを通じて見ているのは、決して大きな実績や表彰歴といった“結果”だけではありません。それよりも重視しているのは、「課題にどう向き合ったか」「目標をどう設定し、どう工夫したか」「周囲とどう協力し、乗り越えたか」といった過程の部分です。言い換えれば、ガクチカはあなたの人間性、仕事への向き合い方、成長のポテンシャルを伝える“ストーリー”なのです。
また、現代のビジネス環境は、チームワークや主体性、課題解決力が重視される傾向があります。そのため、学生時代に自らの意志で取り組んだ経験を通して、こうした能力がどのように発揮されたかを見ることで、将来的に企業の中でどのような貢献が期待できるのかを見極めようとしています。

企業がガクチカで見ている主なポイント
多くの企業が、ガクチカから以下のような力を読み取ろうとしています
・課題発見力:問題や困難に気づく視点を持っているか
・主体性:自ら行動を起こした経験があるか
・協調性:チームの中でどう振る舞ったか
・工夫・改善力:状況をより良くするための試行錯誤があったか
・達成力・継続力:目標に向けて粘り強く取り組んだか
“よくある勘違い”と“避けたいNG例”
「ガクチカ=大きな実績が必要」と思い込んでしまうと、逆に伝えるべき本質を見落としてしまう恐れがあります。
たとえば、「アルバイトで売上を○%伸ばした」といった成果を述べても、背景や工夫が見えなければ印象は薄くなってしまいます。
また、「チームで頑張った」と曖昧に書くのもNGです。自分がどう貢献したのかが伝わる具体性が重要です。
ガクチカが思いつかないときのヒント
「特別な経験がない」と感じている方も心配は不要です。
以下のような経験からも十分にガクチカを構成できます。
・大学のゼミや研究活動
・短期留学やボランティア活動
・家族の介護やアルバイトと学業の両立
・SNSやブログでの情報発信
・失敗から学んだことや、そこからのリカバリー
「特に頑張ったことがない」と感じる方も少なくありません。
しかし、本当に何もしていない人はほとんどいません。
学業、部活、アルバイト、家族のサポートなど、一見普通に思えることも、立派なガクチカの素材になります。
大切なのは、それをどう捉えて、どのように言語化するかです。
ガクチカを書くために必要なこと
ガクチカを書く際には、自分をよく知ることも欠かせません。「なぜその活動を選んだのか」「どんな思いで取り組んだのか」「困難にどう立ち向かったか」などを掘り下げることで、自分らしさや価値観が浮き彫りになります。
こうした自己理解のプロセスは、ES対策だけでなく、将来のキャリア選択にも役立ちます。
まとめ
ガクチカは、単なる“実績紹介”ではなく、あなたの“人となり”を伝える重要な手段です。経験の大小にとらわれず、「どう取り組んだか」「何を学んだか」に注目してエピソードを選びましょう。
行動のすすめ
ガクチカの書き方を理解したら、実際に文章にしてみることが大切です。しかし、1人で考えていると、内容が独りよがりになってしまったり、自分の強みが客観的に見えづらくなることもあります。
そんなときは、東京しごとセンターヤングコーナーを活用してみましょう。キャリアアドバイザーに相談することで、自分では気づけなかった経験の活かし方や、より効果的な伝え方を知ることができます。
まずはガクチカの原稿を持って相談に来るのもよし、何を書けばいいか迷っている段階でもOKです。ぜひプロの力を借りて、自信を持って選考に臨めるよう準備を進めていきましょう。










