ガクチカは構造で差がつく
企業のエントリーシート(ES)で頻出の「学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)」は、ただ経験を並べるだけでは評価されません。
重要なのは、自分の経験に「どんな価値を見出し、どう工夫したか」を構造的に伝えることです。
文章の構成や表現の工夫次第で、同じエピソードでも伝わり方は大きく変わります。
「何をしたか」よりも「どう考え、どんな行動を取ったか」に焦点を当てることが、ガクチカを魅力的に見せるコツです。
今回は、企業が読みやすく納得感を持ちやすい「6つのステップ」に分けて、ガクチカの書き方を解説します。
ガクチカの書き方6ステップ
STEP1:取り組みのテーマを明示する
まずは何に取り組んだのかを一言で伝えます。サークル、アルバイト、ゼミ活動、ボランティアなどテーマは問いませんが、「何の話か」が最初に明確にされていると読み手は理解しやすくなります。
STEP2:課題や目標を設定する
次に、直面した課題や掲げた目標を書きましょう。「何を乗り越えようとしたか」「どんな目標を達成しようとしたか」が語られることで、読んだ側がその後の行動の意図をつかみやすくなります。
STEP3:自分の役割と立ち位置を明記する
どのような立場でその経験に関わったのかを明確にします。「チームの一員」なのか、「リーダー」として指揮をとったのかで、エピソードの重みも変わってきます。
STEP4:工夫したこと・行動したことを具体的に書く
ここが一番の山場です。どんな工夫や努力をしたかを、エピソードを交えて詳しく記述しましょう。「考えて→行動して→反応を受けて→改善した」など、PDCAを回したような記述は高評価につながりやすいです。
STEP5:結果や成果を数値や事実で伝える
行動の結果として得られた成果を「数値」や「事実」で表現できると説得力が増します。「参加者数が〇%増加」「売上が〇万円向上」など、インパクトのある結果があると好印象です。
STEP6:学びと今後への活かし方を述べる
最後に、そこから得た学びや価値観の変化を簡潔に記載し、今後どのように活かしたいかにつなげます。ここがあることで、単なる思い出話から「成長の記録」へと変わります。

ガクチカの具体例(良い例・改善例)
【良い例】
私は、大学2年生のときに学園祭実行委員として、模擬店エリアの担当を務めました。前年は混雑やクレームが多かったため、「来場者満足度の向上」を目標に、導線の見直しと店舗配置の最適化に取り組みました。
私は事前に来場者アンケートを実施し、要望を集計したうえで、出店者との意見交換を重ねながら、配置図を3回以上改訂しました。
その結果、当日は行列が大幅に解消され、満足度調査でも前年比+23ポイントの改善につながりました。この経験から、利害関係のある関係者の意見をまとめる力や、データに基づいた改善提案の重要性を学びました。
今後も、相手視点を忘れずに取り組む姿勢を大切にしたいと考えています。
【改善前の例】
私は学園祭の運営に取り組みました。とても忙しかったですが、最後までやりきれてよかったです。大変なことも多かったけれど、仲間と協力して達成できたのは貴重な経験でした。
【コメント】
エピソードが抽象的で、具体的な課題や行動、成果が見えません。「何をしたか」だけでなく、「なぜ・どうやって・どんな結果が出たか」を詳しく記載しましょう。
まとめ
ガクチカは「ガクチカが重要視される理由とは」のコラムでも記載しましたが、「経験した内容そのもの」よりも、「その経験をどう捉え、どう伝えるか」が重要です。
6つのステップに沿って書くことで、エピソードに筋道が通り、相手に伝わりやすくなります。
自分が頑張ったと思えるエピソードを、構造的に整理して伝えることで、選考通過率も高まるはずです。
行動のすすめ:キャリアカウンセリングの活用
「頑張った経験はあるけれど、上手く言語化できない」「このエピソードで良いのか不安」──そう感じる方も多いでしょう。
東京しごとセンターヤングコーナーでは、ESの添削やガクチカの言語化支援も行っています。プロのキャリアアドバイザーが、あなたの経験を一緒に深掘りし、魅力的な文章に仕上げるお手伝いをします。
さらに、模擬面接や書類(ES)作成のセミナーも定期開催していますので、ぜひご活用ください。「自分らしい伝え方」を身につけて、自信を持って就職活動に臨みましょう!










