キャリアについて考える時には「フレームワーク」が役に立ちます。今回は「Will Can Must」にスポットライトを当ててご紹介します。ぜひ自身のキャリアについて考える参考にしてみてください。
キャリアデザインを進めるための便利なフレームワーク
自身のキャリアプランを立てたり、キャリアの見直しや分析を行う際に役立つのが「フレームワーク」の活用です。
フレームワークをうまく使うことで、キャリアという漠然としたものが体系的に捉えやすくなります。また、自分自身について振り返ったり、現状を見つめ直すことにも役立つはずです。
今回紹介したいのが「Will Can Must」というフレームワークです。

「Will Can Must」って何?特徴やメリットは?
「Will Can Must」とはキャリアを整理するためのフレームワークで、Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(やるべきこと)の3つの要素から、キャリアの見直しや目標設定を行うことができます。
このフレームワークの特徴は、自己分析をもとに、自身の「価値観」や「やりたいこと」「できること」「置かれた状況」に沿ってキャリアを整理することができることです。
「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」の3つの視点に分けて考えるためわかりやすく、整理もしやすいでしょう。また、「今」に焦点を当てて考えるため、昨今のような変化の激しいビジネス環境においても、自身のキャリアプランの実現や目標達成のための行動指針を明確にしやすい点も特徴です。これからのキャリアをどうデザインしていくかを考える際には非常に便利なフレームワークなのです。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
●Will(やりたいこと)
自分が将来やりたいと思っていることや、なりたい姿のことです。キャリアや目標を考えるうえでは、自分の興味や志向がどこに向いているのかや、どんな欲求があるのかを理解しておくことはとても重要です。なお、ここでいう将来とは「2〜3年後」をイメージしてみてください。
自分自身のWillを整理するためには、以下について考えてみるといいでしょう。
- 今興味のあることや、挑戦したいことは?
- 無意識のうちに惹きつけられるようなことは?
- 仕事を通じて実現したいことは?
- やりがいを感じることや、やっていて情熱が湧いてくることは?
- 理想的な生き方や働き方は?
- ロールモデルになるような人はどんな人か?
●Can(できること)
現時点でできることや、これまでに経験してきたことです。自分自身のスキルや、経験によって得た知識、得意なことなどを把握しておくことはとても重要です。自分の能力や特性を踏まえて考えることができれば、現実的なキャリアプランを立てることができるでしょう。
自分自身のCanを整理するためには、以下について考えてみるといいでしょう。
- これまでに一番長く携わった仕事は?
- 今の仕事を始めてから最も熱心に勉強したことは?
- 仕事で思いがけず評価されたことは?
- 仕事の中で周りからよく褒められることは?
- 自分で自信を持って「得意」と言えることは?
- 時間を忘れて夢中になれることは?
●Must(やるべきこと)
所属する組織や今いる環境の中で「達成すべき目標」や「期待されている役割」のことです。「自分が果たすべき役割」を明確にすることで、独りよがりな目標や行動指針を設定せずに済みます。
自分自身のMustを整理するためには、以下について考えてみるといいでしょう。
- あなたが会社から期待されている役割は?
- 顧客や会社の仲間から期待されていることは何?
- 今の仕事で達成を求められている目標は?
- あなたの責任でしっかりとやり遂げないといけないことは?
- 自分自身が果たすべき社会的役割・責任は?

具体的な活用方法
「Will Can Must」のフレームワークは、ただそれぞれの要素を洗い出して終わりではありません。それぞれを統合することで、目標設定やキャリアプランを考えるのに役立てることができます。
例えば、3つの円が重なる部分に注目してみましょう。重なるということは共通する要素を持っているということなので、そこを目標に設定したり、自身のキャリアを考えていくうえでの軸にしてみてもいいでしょう。
【一例】ITサービスを提供する企業の営業職(20代前半・入社3年目)の場合
| 要素 | 具体的な内容 |
|---|---|
| Will |
・顧客の潜在的なニーズを引き出せるような、頼れる営業職になりたい ・社名ではなく、個人名でお客様から頼られる人になりたい ・マネジメントの仕事をしてみたい ・海外に関われる仕事をしてみたい ・人に提案するのが好きなのでコンサルティングや企画の仕事にも興味がある |
| Can |
・初対面の人でも臆さず話せるコミュニケーション力 ・粘り強く打ち込める真面目さ ・自社製品に関する知識 ・海外の動向を含めた業界知識 ・AIを積極的に仕事に取り入れて効率化をはかっている ・英語の勉強を続けている |
| Must |
・新規顧客に対するアポイント数の通期目標達成 ・商談時の提案書や報告書、議事録の作成 ・取り扱っているITサービスの認知度を上げる ・既存顧客との信頼関係の構築 ・新人社員の教育係として後進の育成に関わる |
◎Will・Can・Mustの3つが重なり合いそうなところは・・・
・海外の取引先に関わる仕事/グローバル部署への挑戦
・IT業界の知識を活かしたコンサルティングの仕事への挑戦
要素の重なりから見えるヒント
3つの要素全てでなくても、重なる部分に着目することで今後のキャリアを考えるヒントを見つけることもできます。
| 重なる部分 | 得られるヒント |
|---|---|
| Will × Can | やりたいこととできることが合致しているため、「強みが活かせる仕事」を探すためのヒントが見つかる |
| Will × Must | やりたいことと期待されていることが合致しているため、「モチベーションが上がりやすい仕事」を探すためのヒントが見つかる |
| Can × Must | できることと期待されていることが合致しているため、自分に向いている「得意な仕事」を探すヒントが見つかりやすい |
「Will Can Must」を活用するタイミングは?
特に以下のタイミングで意識してみてください。
- 転職を検討しているとき
- 仕事の役割や役職が変わったとき
- 新しい仕事にチャレンジするとき
環境が変わったり、新たな役割や役職を担うことになると、当然ながら期待されることや求められる成果も変わってきます。やるべきことを明確にしたり、何が自分に足りないかを確認するためにも「Will Can Must」を活用してみるといいでしょう。
重要なのは、一度設定したら終わりではないということ。環境や気持ちの変化に応じて定期的に見直し、自分自身のキャリアの進捗状況を把握したり、目指す方向を再確認するのに役立ててください。
まとめ
働いていると、Will(やりたいこと)は日々変化しますし、Can(できること)は日々増えていきます。また、Must(やるべきこと)は状況によって新たなものが加わったり難易度が上がったりします。
「Will Can Must」を普段から意識しておくことで、日々の仕事に対する意識が上がったり、目標設定もしやすくなるはず。その時々の自分に合ったキャリアデザインも自律的に進めるためにも、こうしたフレームワークを積極的に活用してみてくださいね。








