キャリアを考えていくうえで大事になるのが「目標設定」の仕方です。今回は、目標設定に役立てられる「SMARTの法則」というフレームワークをご紹介します。
なぜ、正しい目標設定が大事なのか?
日々の仕事においてはもちろん、キャリアアップや自身の今後のキャリアを考えていく際に大事になってくるのが「目標設定」です。
目標設定がうまくできれば行動が変わり、それにともなって仕事のパフォーマンスも上がります。当然モチベーションも上がるため、次の目標も見つかりやすくなるでしょう。正しい目標設定が自身のキャリアを広げることにもつながるのです。
効果的に目標設定を行うために有効なのが、今回取り上げる「SMARTの法則」というフレームワークです。

「SMARTの法則」って何?
「SMARTの法則」とは、立てた目標を効果的に管理するためのフレームワークです。目標を立てる際にも役立つため、うまく活用することでその成果を最大化することができます。
個人がキャリアアップなどの目標設定のために活用する以外に、組織のパフォーマンスや業績を向上させるためにも役立てられるため、活用の幅が広いのが特徴です。
具体的には、SMARTの5文字を頭文字とする「5つの指標」をもとに目標を設定していきます。
- S (Specific)・・・具体的
- M (Measurable)・・・測定可能
- A (Achievable)・・・達成可能
- R (Relevant)・・・関連性
- T (Time-bound)・・・期限
それでは、1つずつポイントを見ていきましょう。
●S (Specific)・・・具体的
まずは明確かつ具体的な目標を立てることが大事になります。そうすることで達成できたかどうかの判断がしやすくなりますし、行動計画も立てやすくなります。
「具体的であること」がとても重要ですから、「売り上げを上げる」「改善する」といった曖昧なものではなく、「売上目標100万円を達成する」など、誰が見てもわかるような目標を立てることが重要です。
●M (Measurable)・・・測定可能
次に、立てた目標の進捗状況や達成度を数値ではかることができるよう、明確な指標を掲げます。それにより、現状はどれだけ足りていないのかが把握でき、評価もしやすくなります。
「10件」「30%」「週に1回」「1日1時間」など、測定しやすいよう数値を意識した目標設定をしましょう。
●A (Achievable)・・・達成可能
達成可能な「現実的な目標」を立てることが重要です。いくら具体的かつ測定可能なものでも、達成イメージがわかなければモチベーションも上がりませんし、余計な負荷がかかることで全体のパフォーマンスは落ちてしまいます。
逆に、簡単すぎる目標だと成長につながらないので、少し背伸びすれば手が届くような目標設定を意識してみてください。自分の努力や工夫次第で達成できるような、人任せではない目標にすることも重要です。
●R (Relevant)・・・関連性
その目標を達成することで得られる成果との関連を明確にしておくことが重要です。
将来目指す方向性やビジョンに合致しているのか、今の自分に必要な力が身につくのか、次に進むための原動力になるものなのか、個人的なだけでなく組織の目指す方向性や周囲への影響がどの程度あるのかなど、ゴールを明確にイメージしたうえで目標を立てる必要があります。関連性が高いほど、モチベーションも上がりますし、立てる目標の意味も高くなります。
●T (Time-bound)・・・期限
いつまでに達成するのか、期限を明確にする必要があります。時間の制約をはっきりさせることで、どのくらいのスパンでどのような行動計画を立てないといけないかが具体的に見えてきます。
「1週間」「1ヶ月」「3ヶ月」「半年」「1年」など期限を複数設定することで、短期あるいは中期、長期とバランスよく目標を立てることも可能となります。
目標設定を行う際のポイント
SMARTの法則を活用して、目標設定する際のポイントを紹介します。
●まずは現状分析をしっかり行う
目標を立てる前に、まずは自分自身の現状の課題や足りない部分、伸ばすべき部分の把握を行います。また、「将来的にどうなりたいのか」をしっかりイメージしてみること。そうすれば、どのあたりがゴールになるかイメージしやすくなり、具体的かつ現実的な目標設定につなげることができます。そのうえで、「SMARTの法則」に沿って目標を具体化していきましょう。
●進捗状況を定期的に確認する
目標を立てて終わりではなく、進捗状況は定期的に管理しましょう。できているか・できていないかだけでなく、期限に対してどの程度進んでいるのか、できていないことがあるとしたらその理由は何なのか、達成は現実的なのか、といったことも含めて自分なりに分析してみましょう。そのうえで、必要であれば計画を調整・改善することも大事です。
周囲に目標を共有し、自身が振り返るだけでなく、進捗状況を定期的にアウトプットできる環境をつくることも大事かもしれませんね。
●アクションプランを明確に
5つの指標に沿って考える際は、できるだけ具体的な目標設定を心がけましょう。目標設定で失敗しがちなのが、抽象的すぎる目標を立ててしまうことです。それでは具体性な行動に移せないばかりか、振り返りもうまくできません。結果として目標を達成できないまま終わってしまうこともあります。
「5W1H 分析」や「Will Can Must」など、他のフレームワークと組み合わせて使うのも有効です。
「SMARTの法則」を活用して目標設定してみる
ここでは、個人の目標設定を行う場合の具体例を2つ紹介します。以下を参考に、「SMARTの法則」を活用して自分自身の目標設定をしてみてください。
【例1】目標:営業成績を上げる
| 指標 | 具体的な内容 |
|---|---|
| S (具体的) | 今期の営業売上を前期の120%にする |
| M (測定可能) | 月に3件の新規アポイントを獲得する |
| A (達成可能) | 週に5件の新規商談を行う。そのためにオンライン営業の割合を5割まで上げる |
| R (関連性) | 商談の数を増やすことで営業力を上げ、効率よく資料作成できるようになる |
| T (期限) | 今期末となる3ヶ月後 |
【例2】目標:英語力を上げる
| 指標 | 具体的な内容 |
|---|---|
| S (具体的) | 会議やメール連絡など海外とのやり取りの中でビジネス英語を使えるようになる |
| M (測定可能) | TOEICのスコアを50点上げる |
| A (達成可能) | 通勤時30分間、アプリを活用して英語のリスニングを勉強する。週1時間、英語だけで会話をする時間を作る |
| R (関連性) | 海外拠点の担当者と直接やりとりができるようになり、海外拠点勤務など仕事の幅を広げる |
| T (期限) | 次の4月まで(1年後) |
まとめ
目標設定の仕方によって、普段の行動の質や量は変わります。現状をしっかりと分析し、正しい目標設定をできるようになることが、自身のキャリアを考えることにもつながり、スキルアップや自身の可能性を広げることにもつながっていくのです。
「SMARTの法則」は個人の目標設定だけでなく、チームを率いる際の組織マネジメントにも有効なフレームワークです。ビジネスパーソンとして働いていくいろいろな場面で活用できるものですので、ぜひ頭に入れておき、うまく活用してくださいね。








