今後のキャリアについて考えようとするときこそ、自分を正しく認識・理解しておくことがとても大事です。今回は、自己理解を深めるのに役立つフレームワーク「ジョハリの窓」についてご紹介します。
目次
- 1. 「ジョハリの窓」の4つの窓とは?
- 2. 「ジョハリの窓」を活用するメリットは?
- 3. 「ジョハリの窓」をどう実践する?
- 4. 「ジョハリの窓」の活用の仕方は?
- 5. 注意点や、気をつけることは?
- 6. まとめ
「ジョハリの窓」の4つの窓とは?
「ジョハリの窓」とは、自己理解を深めるためのフレームワークです。開発した心理学者の名前をとって、このように呼ばれています。
「自分のことは自分自身がいちばんよくわかっている」と思いがちですが、実は自分の中には「他者だけが知っている自分」や「自分も他者も気づいていない自分」が隠されています。それを認識することが自己理解において非常に重要です。
ジョハリの窓は、自分自身についての情報を「4つの窓」に見立てたフレームに整理・分類して「見える化」します。それによって自己理解を深め、自分自身の成長機会の創出や他者との円滑なコミュニケーションに役立てることができます。
4つの窓とは、具体的にこのようなものです。

「自己理解(自分は知っている・自分は気付いていない)」と「他者理解(他者は知っている・他者は気付いていない)」をそれぞれ掛け合わせることで、自分の特徴を表す「4つの窓(領域)」をつくります。
1つずつ見てみましょう。
① 「開放」の窓
自分も他者もわかっている自己です。「開かれた自分自身の特徴」といえます。
② 「盲点」の窓
自分は気づいていないが、他者には知られている自己です。「自分だけが気付いていない自分の特徴」といえます。
③ 「秘密」の窓
自分は知っているが、他者には知られていない自己です。「意図的に隠している自分の特徴」といえます。
④ 「未知」の窓
自分も他者も知らない自己です。誰からも気付かれていないが、実は隠れている自分の特徴といえます。
「ジョハリの窓」を活用するメリットは?
●自分には見えていなかった「自分の特徴」が知れる
他者が自分のことをどのように見ているかがわかるフレームワークなので、自分一人では気付けない自分の特徴や性格を知ることができます。思いがけない発見をきっかけに、自分自身の可能性を広げられるかもしれません。
●自己理解と他者理解の「ズレ」がわかる
そもそも「ジョハリの窓」は自己理解と他者理解のズレを認識できるフレームワークです。「自分が思っているほど相手に理解してもらえていない」など、想像してもみなかった現実を知ることができたり、他者からの評価において思いがけない発見があることも多いです。改善点が見つかったり、自分の強みを再認識することにもつながります。
●他者とのコミュニケーションにも活かせる
相手との認識のズレをただ理解して終わりではありません。生じたズレや誤解を埋めるための行動が、相手との信頼関係の構築にもつながりますので、円滑なコミュニケーションのために何ができるかを考える1つのきっかけにもなります。
●お互いを知るいい機会になる
このフレームワークは仲間と一緒に行う作業となります。ですから、メンバー同士お互いに理解を深め合うことができます。また、作業を通じて見えてきたそれぞれの強みや弱みを日々の仕事や活動の中で考慮し合えば、円滑な人間関係の構築にもつながります。
「ジョハリの窓」をどう実践する?
「ジョハリの窓」を具体的にどうやって進めたらいいか、代表的な実施方法をご紹介します。
●お互いの印象を紙などに自由に書く
もっとも一般的で気軽にできるのが、「紙」と「書くもの」を用意して、集まったメンバーそれぞれに対して感じている特徴や性格などを一人分ずつ記入し合う方法です。
参加メンバー一人につき紙1枚に記入し、もちろん自分についても書きます。全員分が書き終わったら該当する人の分は渡します。
自分について書いたものと、メンバーが自分に対して書いたものとを見比べながら、ジョハリの窓の4つのフレームに整理していき、シートを完成させます。
完成後はお互いのシートを見ながらフィードバックし合ったり、情報共有を行いましょう。
●選択肢を用意して選ぶ
性格や能力などを表す項目をまとめた「特性リスト」をあらかじめ用意しておく方法です。そのリストを活用し、相手の特徴や性格で当てはまるものにチェックを入れてお互いに渡し、各自で4つの窓のフレームに整理します。
事前にシートを用意する必要はありますが、チェックをつけるだけなので自由に記述するよりは簡単かつ短時間でできるでしょう。また、自他の比較もしやすく、整理がラクかもしれません。
●アプリやツールなどを活用する
その他、専用アプリやWeb上のツールなどを活用すれば、遠隔での実施も可能です。状況に合わせて、便利なツールを探してみてください。
「ジョハリの窓」の活用の仕方は?
「ジョハリの窓」は作成するだけでいろいろな発見があります、せっかくならシートを参考に次の行動に繋げたり、新しいキャリアを踏み出すきっかけにしてみましょう。
4つの窓について、それぞれの分析方法をご紹介します。
▶① 「開放」の窓
この領域に要素がたくさんある (窓が大きい)人は、「自己開示をたくさんしている人」といえるでしょう。また、自分の内面や気持ち、得意なことなどを相手にわかりやすく伝えられている人でもあります。ですから、そこは自他ともに認める「強み」として自信を持ち、自己分析の際も大いに活用しましょう。
逆にこの領域の窓が小さい人は、他者に自分のことをうまく伝えられていない可能性が高いです。自ら情報発信の機会を増やすなど、自己開示に努めてみてください。それによって自分自身の強みや特徴がより明確になり、活躍の場も広がるかもしれません。
いずれにしても、この窓を広げることは周囲と円滑なコミュニケーションを取りやすくなることにもつながりますので、まずはそこを目指しましょう。
▶② 「盲点」の窓
この領域に要素がたくさんある人は、「自分よりも他者の方が自分の特徴を知っている」といえます。まずは自己分析をやり直すなどし、自分自身についてあらためて知る努力をしましょう。
それがきっかけで自分自身の強みや、周囲に期待されていることなどが発見できるはずです。自分への理解が深まるにつれて、この項目の要素は「開放の窓」へと転換していきます。
▶③ 「秘密」の窓
この領域に要素がたくさんある人は、「他者に知られていないことがたくさんある人」です。
内に秘めているものが多いことは決して悪いことではありませんが、うまく自己開示していくことで「開放の窓」を広げることもできます。
自分の個性や得意なことを意識的に周囲に伝えるなどアウトプットを増やしてみることで、新しいチャンスが訪れたり、周囲からの評価も変わってくるかもしれません。
▶④ 「未知」の窓
この窓は、自分も他者も気づいていない未知の領域となります。言い換えれば、あなた自身の持つ可能性でもあり、開発されていない性格や特徴でもあります。
新しいことにチャレンジしたり今までにない環境に身を置いたりしたときに、自分でも想像できなかった力が発揮できたり、意外な気付きを得ることも多いです。ぜひそうした行動をきっかけに、自分の可能性を広げ、自他ともに認めるような強みや特徴を増やしていってください。
注意点や、気をつけることは?
最後に、ジョハリの窓を活用するにあたっての注意点を3つ挙げておきます。
●信頼できる仲間と行う
注意点としては、一緒に行うメンバーは、お互いのことをよく知っている「信頼をおける人」が望ましいということです。どういう人かがわかっているからこそ、お互いに共有し合う情報に深みが増し、効果も高まります。
●参加を無理強いしない
「ジョハリの窓」はお互いの性格や特徴についてアウトプットし合うため、自己開示をしたくない人や、話したくないことがある人を無理に参加させるのはやめましょう。実施することが本人にとってマイナスになってしまう場合があるので、十分に気をつけてください。
●ネガティブな表現は使用しない
「自分がどう見えているのか」というセンシティブなやり取りが発生する以上、相手を否定したり、傷つけるような「ネガティブな表現」は使用しないようにしましょう。できるだけポジティブな言い回しに変えて伝えるなど、楽しく、相手を思いやる気持ちを持ってやってください。
まとめ
「ジョハリの窓」は他者と協力して進めていくフレームワークです。他者の視点が入ることで、自分では気付けなかったことを知れたり、自分自身の新たな一面に気付くことにもつながります。自己分析をより深いものにしてくれるフレームワークでもありますので、ぜひ活用してみてくださいね。









